Desert Beyond
ひさ



 存在感

最近は雨が降った日があるかと思うと
その次の日はふわりと晴れた日になったり
またそうかと思ったら雨がさらさらと降る。
そんな日々が織り成しながら春になっていくんだなあ。
雨が降ったからといって寒くもないよ。

晴れたときにあまり花粉症がひどくないので
もしかしたら克服した?と勝手に考える。

シダの世話に温室に入ると
晴れのときも雨のときも独特の空気。
シダ植物ばかりの温室で
リョウメイシダというのとモエジマシダってのが
小さい鉢から大きい鉢までぽこぽこと植わっている。
晴れの日は温室なのでむわっとしたあったかい空気だけど
なんだか新鮮なんだなぁ、空気自体が。
雨の日は温室のドアを開けて
雨から逃げ込むように入ると温室の中で
シダたちはしーずかに迎えてくれるような感じ。
ビニールハウスに雨がぽつぽつぽつとあたって
彼らはじっとしている。
なんというか、存在感みたいなのがちゃんとある。
今までどんな世話をしてきたのか雑草が結構生えていて
僕は毎日少しずつ温室を綺麗にしていったり
そういう鉢植えの中の雑草を抜いたりする。
箒で掃くと、閉じた空間なので埃が舞って
少なからず自分で吸い込むことになる。ごほごほ。
時間と最低最高気温湿度を記録して
僕は静かに温室のドアをしめる。

この間、夕暮れ時に西に向けて自転車で帰るとき
(僕はたいてい東に出かけるので帰りは西)
太陽はぎりぎり見える限界で
その太陽ときたらまるで太陽じゃないみたいだった。
いくら直視しても目に焼きついたりしない
とても綺麗な茜色をしていて
いつもよりも1.5倍ほどの大きさだった。

2006年03月23日(木)
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