Desert Beyond
ひさ



 真っ赤な柊の実をひとつ

布団と一緒になってしまうまで
ずっと寝続けてしまおうかと思った。
寝ていられるぎりぎりのところまで寝た。
というか起きなくてはいけない限界で
偶然起きることができた、というのが正しい。

今日は午後の授業がフィールドだったので
学校を通りすぎて道後の横を通って
長い坂道を登って下ったところにある川まで
ベッドから飛び起きた僕は
ハンマーやら色鉛筆やらをかばんに突っ込んで
自転車で東へ向けて疾走した。
驚異的なタイムをマークして
集合時間1分前に到着することができた。
汗がでた。

明日、今学期最初のテストがある。
図書館に行くと1階も2階も
普段図書館に来ない人たちでごった返していた。
1階に小さなスペースを見つけて
そこでしばらく勉強してから
顔がこわばる寒さの中、家に帰ってきた。



夜遅くまで働く人たちのおかげで
世界は夜遅くまで確実に動いている。
僕はオフィスに残る最後の人が仕事をやめて
世界がゆっくりと止まった頃に目覚めた。
光化学の街で光の塵はきっと
アスファルトに降って目に見えず積もる。

地球内部の層状構造。
地殻。マントル。核。
地表ではしんしんと白い雪が降りつむ。
核では鉄の雪が降る。
それってどんなだろうって考えるけど
やっぱりうまく想像することができない。
千年紀末の雪、ってそんなだろうな。

2006年01月23日(月)
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