Desert Beyond
ひさ



 眠らない日、眠れない日

今日は明るい曇りか...。
西の空ではうっすら雲のフィルターから
青空がみえている窓もあった。
結婚式場は車でいっぱいで
となりの整地された土地では
地鎮祭をするみたいだった。
風はとにかく冷たい。

日曜日の揺れの少ない空気は
周りの音を平日より響かせるので
先週の今日、どう思いながら
時間を過ごしていたのか
そのやり場のない気持ちが
いやでも心によみがえってくる。
家の中にいたくない。

************************

ハンマーを持って城山にでかけた。
稀に通る人は僕を奇異の目でみたけど
僕が見るとこっちを見ていなかったふりをした。
そりゃ人気が少ないところで
ハンマーなんて持ったいい大人が
かちんかちんと石を割ったりしていたら
誰でもちょっとおかしい人だと思うだろうな。
そんなおかげでレポートの深みが増す。

いつまでもいつまでも引きずるのは
自分から見ても人から見ても苦しい。
どれだけ引きずるかというのは
事の大きさに比例して
割り切りの上手さに反比例するんだろうな。
事は大きくて、ずるく割り切りたくない。
......。引きずるのか。

パソコンのリカバリをした。
初期の設定がCドライブが15GBしかなくて
Cがいっぱいになってしまって
Dがすかすかの状態でどうにもならなくなったから。
すべてが面倒で
とにかくパチッとリカバリをしてしまった。
全部消えた。
冷や汗が出そうになったけど
これから提出するもののファイルは
運よくフロッピーにセーブしていた。
あと、デジカメでとった写真とか
全部なくなってしまったことに気がついた。
どこにもとっていないし
0と1な形でとっておいた思い出が
すべて消えてしまって心が痛んだ。
食器棚の中に散らばっている貝殻を見ても心が痛んだ。

青菜を浅漬けにした。
食器を全部洗った。
大根の漬物も作った。
包丁をシャープに研いだ。
白髪ねぎを中華なタレに漬けた。
珈琲を淹れた。
柱状図に色鉛筆で色を塗った。
突然辛くなっても出る涙はなかった。
ただ涙を流すより強く心が痛み続けるだけだ。
眠い目をこすってみたけど
かといって目が覚めるわけじゃなかった。
もうすぐ夜明けだ。



2005年11月27日(日)
初日 最新 目次