Desert Beyond
ひさ



 月//ジャンクフード再び

午前零時過ぎ。月が白い。
空高く上がった月は実に白いのだ。
青空と同じ要領で、月は白くなる。
僕は基本的な好みにおいて月は好きなのだが
どこかで好きになりきれない心があるのも否めない。
月と云えば太陽の逆。明の逆である暗を指す事も多い。
そんな世間の一般知識が僕の心に刷り込まれたのか。
月の美しさを思う時はいつでも
一抹の表現できない様な不安みたいなものがついてくるのだ。
そんな憂い混じりの月見は一興だ。


ミートボール入りの缶詰スパゲッティなるものを買った。
1ドルちょっとだった。
ソースからして何だか焦げっぽい様な
丁度バーベキューの煙の様な味がする。
缶詰のスパゲッティは勿論のびのびだ。
良くない事など分かっていたのだ。
でも試してみたかったので思わず手が伸びた結果。
買い合わせた黒ライ麦パンも少し焼いて食べた。
僕はパンには何時も何も付けずに食べるのだが
特に全麦やライ麦などのパンは先ず何も付けずに味わいたいと思い
そのまま食したのだけれど、黒ライ麦の味などしなかった。
何故ならば、パンにはフェンネルが沢山入っていたからだった。
折角の黒ライ麦パンだというのに....。
フェンネルは確か消化にいいので良しとするかなあ。

日本では何を買ってもそこまで外れた物は無いけれど
アメリカ人と日本人では基本的に味覚が違うので
ジャンクな物を買うととんでもなく外れたりする。
それがまた面白かったりするのだが。ふふふ。

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学校から帰ってきてペンネを茹でた。
昨日の夜買った「ガーリックアルフレッド」ソースがあるから
わざわざ自分でソースを作る手間が省けるのだ!
それもまた安いソースで$2くらいで3食分くらいの量の瓶入り。
ジャンクフード再び!、などと思いながら僕はほくそ笑み
茹であがったペンネを温めたソースに混ぜた。

僕は基本的に出された食べ物は残さない。
食べ物は動物でも植物でも生きていた物で、
無駄に残すということは命を無駄にしたということだと思うからだ。
でも残してしまったよ、ペンネ・ガーリックアルフレッド....。
どうしても食べれなかった。
それでも2/3は堪えて食べたのだが、後になるとどうもいけない。
飲み込んだ後味はそうでもないのだけれど、
口に入れて飲み込むまでが戦いだった。
何との戦いだったかは食事中に読んでいる人がいる事を考慮して
敢えて書かずにおこうと思う。

こういう事もあるかと思えば
ジャンクフードへの挑戦はそう甘くはないなあ。
これから軽はずみにジャンクフードを買えなくなりそうな、
そんな昼下がり。







2001年10月29日(月)
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