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2021年04月11日(日) ■ |
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医者はそうは言ってない |
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映画「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」(マウロ・リマ監督)から。 作品冒頭に流される「芸術は痛みによってのみ完成される」というフレーズが 最後の最後まで、貫いていて、期待を裏切らなかった。 これだけの才能がありながら、無茶なことをして怪我をするのは、惜しい、 そう思った視聴者も多かったに違いない。 「新しい習慣は細い線に似ている。だが繰り返す度に線は濃くなる。 それが束ねられて太いケーブルになると、 我々の思考や行動にその習慣が深く染み込む」 それをピアニストとして実践し、大きな成果を上げた人生だからこそ、 有名になっても、酒や麻薬に溺れることはなく、 鍵盤を叩く指が大怪我をしても、前向きに捉え、努力を惜しまない。 両手が無理なら、左手だけで・・「左手のためのピアノ協奏曲」に挑戦、 しばらくして左手も使えなくなり、医者に断念を通告され、彼は落ち込む。 しかし、同伴した女性弁護士が、こう励ました。 「二度と音楽ができない」と言われた・・と投げやりな彼に、 「医者はそうは言ってない」とキッパリ。 「じゃあ、何と言った?」と聞き返す彼に、 「ピアノは弾けない、と」(言っただけよ)と、簡潔に答えた。 彼は、音楽を諦めろ、と言ったわけではないことを悟り、 指揮者として、活躍していく・・このストーリーが嬉しかった。 言葉に敏感だった女性弁護士のアドバイスは、彼に光を与えたよなぁ。
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