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2020年03月25日(水) ■ |
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この国が滅びの道に進む前に、身代わりとなって大海に沈む船だ |
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映画「アルキメデスの大戦」(山崎貴監督)から。 太平洋戦争・大東亜戦争・第二次世界大戦に関する映画は、 もう数え切れないほど観てきたが、 数学的観点から「戦艦大和」の建造を止めようとしたという この着想には、お見事というしかなかった。 しかし、私がもっと感心したのは、建造推進派の設計者が、 日本をどうやったら潔く負けさせることができるか、という もっと先の将来を考えていたことだ。「追い詰められた時、 戦争しないと言う選択を、国民が許してくれるわけがない。 人々は日露戦争の勝利に未だ酔いしれている。 日本人は負け方を知らない人種だ。 どんな悲惨な状況になろうとも、最後の1人まで 戦い続けるようとするだろう。そうすればこの国は確実に滅びる。 だがその時、日本という国の象徴となるような 巨大戦艦があったらどうだろうか。それが沈められた時、 その絶望感はこの国を目覚めさせてはくれないだろうか」 「私はね、今日本と言う国のよりしろとなる船を作りたいのだよ」 「この国が滅びの道に進む前に、身代わりとなって大海に沈む船だ。 だから私はこの船にふさわしい名前を考えてある。この船の名は大和」 そのために採算を度外視して「巨大戦艦・大和」を作りたい、 という発想が、私を唸らせてしまった。 なぜ戦果を挙げずに沈んだ巨大戦艦の名前が「戦艦大和」なんだろう、 そんな私の疑問に答えてくれたストーリーだったからだ。 でも、建造に反対だった海軍少将・山本五十六が艦長なんだよなぁ。
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