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2019年12月06日(金) ■ |
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ずっとずっと飛んでたら、こんなにきれいじゃない |
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映画「まく子」(鶴岡慧子監督)から。 もう数年前に「原作」も読んでいた、 作家・西加奈子さんの同名小説の映画化とあって、 やや期待しすぎたのかも知れないが、残念ながら、 彼女が文字で表現する独特の世界観は、 今回の映画化では、伝わってこなかった気がする。 タイトル「まく子」という少女は、本にも映画にも登場しないし、 落ち葉を拾っては上に向かって投げる、 言い換えれば、落ち葉を撒いている「コズエ」が、 「まく子」というわけだ。 その彼女が、突然、気付いたように、こう呟く。 「あっそうか、どうしてこうしてまくのが楽しいか、 わかったよ、全部落ちるからだ。 全部落ちるんだよ、慧(さとし)。 ずっとずっと飛んでたら、こんなにきれいじゃない」 「だから、体が変わってゆくことは楽しい。 変わってゆくことって、面白いよ。 それが大人になることなら、面白い。永遠に続きがないから、 きっと素敵なんだよ」ということだろう。 思春期にありがちな、子どもだった自分の体が、 「汚い・ずるい」男の大人になっていくことへの恐怖を、 まく子は、上手く表現してくれた。 この作品、誰が観れば、一番感動するのかなぁ。
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