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2019年09月15日(日) ■ |
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過去はブラックホールに似てる |
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映画「蜘蛛の巣を払う女」(フェデ・アルバレス監督)から。 メモを振り返ったら、ある少年が何度も口にする 「お母さんのところに戻りたい」というフレーズが 何回か書かれていたので、少々気になったが、 核攻撃のシステムプログラムを開く暗号文 「馬は平原で静かに立つ」「今年は雪が早い」も気になった。 しかも主人公とは別に、この事件の鍵を握る少年の存在が、 どうしても頭から離れなかった。 例えば、プログラムの開け方を知っている、ただ1人の少年が、 目の前で母親を殺され、意気消沈していると思われたところ、 怯えることなく、冷静にこう答えた。 「お父さんは言った。過去はブラックホールに似てる。 近づきすぎると、取り込まれて消えてしまう」と。 そして、最後に「僕は消えたくない」とまで。 これには驚いたけれど、この例えが妙に引っかかった。 あまり過去ばかりにこだわっていると、自分というものを見失う。 だから、母絵が亡くなっても、悲しんでばかりではダメだ。 自分を失くしたくなければ、前を向いて歩け」 ・・そんな教訓にもとれた例えであったからだ。 そのフレーズの意味は、物語全体を通して感じられたし、 16年前に別れた双子の姉妹が、過去となって存在する展開に、 過去に近づきすぎると危ないな・・と頷いた。
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