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しもさんの「気になる一言」
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2018年08月07日(火)
雇用延長は「仕事」ではなく「施し」

書籍「終わった人」(内館牧子著・講談社文庫刊・540頁)から。
定年を間近に控え、年金支給開始の63歳まで、
無収入になる訳にもいかず、先輩たちと同様に、
再任用(雇用延長)かな、そんな気持ちを持ち始めたとき、
この本に出会い、こんなフレーズを見つけてしまった。(汗)
「雇用延長の場合、どんな仕事をさせられるかわからない。
どんな業界であれ、友人たちの大半は、
それまでの地位やキャリアからは考えられないような、
本人にしてみれば『屈辱』とも言えるセクションに回されていた。
そこで若い人たちの冷淡な目を感じながら、働くのだ。
幾ばくかの給料をもらって。俺はそれを『仕事』とは言わない。
それは、俺には『施し』であり、そこに身を置く気はない」
こんな発想をしたことがなかったから、ややひるんだ。(汗)
長く働いてきた「御褒美」とは言わないが、
再就職の難しさを感じながら、議会対応等の緊張から解放され、
やや軽微な「仕事」をする程度の認識だったから。
「いや、雇用延長で後輩たちを指導する立場になる」と、
声高に叫ぶ輩もいるけれど、著者は主人公の口を借りて
「だが、これが現実だった」と呟かせる。
う〜ん、けっこう衝撃的なフレーズだったな、私にとって。