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2018年04月20日(金) ■ |
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僕たちが憎いから爆死しようが餓死しようが関係ないと? |
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映画「ヒトラーの忘れもの」 (マーチン・ピータ・サンフリト監督)から。 タイトルの意味は、冒頭にサラッと説明される。 「ドイツによる5年間の占領が終わった。 ナチスが西海岸に埋めた地雷は220万になる」 デンマークの海岸沿いに残された無数の地雷こそ、 「ヒトラーの忘れもの」なんだとよくわかる。 その地雷撤去を、敗戦国ドイツ軍の少年兵に強制していた、 その史実も驚いたが、もっと驚いたことは 作品の製作国が「デンマーク・ドイツ合作」だったこと。 第2次世界大戦直後、それほど憎みあっていた両国が、 どちらかの国を美化するのではなく、しっかりと現実を見つめ、 自分の母国がしたことへの反省と、責任を感じて作った、 そんな気がしてならない。 心に刺さる台詞の中から、いつ地雷に吹き飛ばされるか分からない、 食べ物も満足に与えられず、腐ったものを食べて嘔吐下痢を繰り返す、 そんな極限状態で、ドイツ少年兵が、デンマークの人たちに叫んだ、 言葉を選ぶことにした。 「僕たちが憎いから爆死しようが餓死しようが関係ないと?」 人間って、どこまで冷酷になれるんだ・・と怒りが込みあげたが、 それを救ってくれたのが、ホッとして涙腺が緩んだラストシーン。 ハッピーエンドとは言えないけれど、それでも温かい気持ちになった。 日本もこういった映画を作るべきかもなぁ。
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