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2017年01月27日(金) ■ |
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「眺め」とは、若い人がみるべきなのだろう。 |
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映画「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」 (リチャード・ロンクレイン監督)から。 ニューヨークのアパート最上階に住む主人公の老夫婦。 エレベータがないため、辛くなってきたのを妻が気遣い、 売りに出すことにしたのだが、どうしても名残惜しい。 そんな自分を納得させるために、 夫役のモーガン・フリーマンが呟くシーンがある。 「どんなにバカらしくみえても、我が家以上の眺めはない。 だがおそらく、必要な眺めは見尽くした。 『眺め』とは、若い人がみるべきなのだろう」と。 画家の役らしい台詞だな、とメモをした。 自分たち夫婦は、結婚当初から40年この景色を眺めてきた。 2人の想い出がつまった風景は、何事にも変えがたい。 しかしこの素晴らしい眺めを、自分たちだけで楽しむには もう充分、歳を重ねてきた。 ここらで、この「眺め」を若い人たちに譲ろう・・ そして、何かに気付き、前に進んで欲しい、 そんな気持ちが伝わってくる台詞であった気がする。 いつまでも「特等席」を独り占めするのではなく、 この素晴らしい環境を、次の世代に繋げたいと感じる、 その懐の広さが気に入った。 久しぶりに、ホッとさせられる作品であったなぁ。
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