2001年11月16日(金)
ファンタジー目指して走り書き。…なのか??
…一回、途中まで書いたんだけど、間違えて消してしまったぁ…。(阿呆) ぐすん。(; ;) 仕方ないから、走り書きだけでも…。 えと、141だった。カウンタ。 レッツゴー。
――寒いな……。 吐いた息が白くなるのを、二ウィーは見つめた。 使い古してやや薄くなってしまった手袋をはめて、なお指が冷たくなりかかる。 少しでもマシになるかと上着のポケットに両手を差し込んだ。 エインは四季のある国だ。春は暖かく、夏は暑く、秋は涼しい。 そして今、冬は夜が長く、寒い季節だ。 二ウィーは待ち人が現れないかと通りの向こうに姿を探した。 背中を丸めながら足早に人々がすれ違う通りは一年の終わりを間近にして慌しい 雰囲気に包まれている。 きーっと音がして二ウィーの後ろの戸が開き、若い少女が顔を覗かせた。 「二ウィーさん、中でお待ちになったほうが…」 「いや、ここにいるよ。あいつはときどき変なヘマをするからね。 私が中に入った途端、気づかずに通り過ぎてしまうのではないかと考えると おちおち温まってもいられないんだ」 苦笑いしてみせると、少女は黙って戸を閉めた。 ――……あいつは、来ないかもしれない。 何度も脳裏を過ぎる想いに、胸が締め付けられる心地がする。 『来週の今日、もしよかったら、少しだけ私に付き合ってくれないだろうか』 今しか言えるときはない。そう思うと、口から自然に言葉がこぼれた。 『………』 『時間があったらでいい。無理に来なくてもいい。来週の今日、午前10時に あの店で待っている』 相手の返事を待たずに、二ウィーはその場を立ち去った…。 ――……わかってくれたと思うが。 あの店、とはこの店のことなのだとあいつならきっとわかってくれるはずだ。 もうすぐ二ウィーが言った時間になる。いつも時間の10分前には必ず来るあいつ の ことだから、もし来てくれるとしたらもうすぐだと思うが……来てくれるだろか。 と、ふと二ウィーの視線の先に見慣れた人影が見えた。 「!!」 その人影はゆっくりと、二ウィーに近づいて立ち止まった。 「……ムア」 「来ないかもしれないとでも、思っていたのか?」 ムアは薄く笑った。 「ほら、早く入ろう。寒くて凍え死にそうだ。おまえのことだから、どうせずっと ここに立ってたんだろ? まったく、おまえじゃないんだからここを間違えるなん てことするわけないだろ」 ずばり言い当てたいつもの調子のムアに、それほど久しぶりなわけでもないはず なのに懐かしさを感じるのはなぜだろう。二ウィーは顔をほころばせた。 「ということは、自覚があるということか」 「失敬な。それにしてもまたそんな骨董品のようなものを身に付けて。金はあるの だから新しいものぐらい買えばいいだろう」 「骨董品ってほどでもないだろ?」 と、二ウィーに何やら重たそうに膨らんだ袋を押し付ける。 「おまえにくれてやる」 「え……?」 二ウィーが開けて中身を取り出してみると、新品の上着と手袋だった。いかにも ムアらしい、品のいい良質のものだ。 「……ムア……」 「まぁ、なんだ。少し早めのオンバージというところだ」 照れくさそうにそっぽを向いてムアは言った。 オンバージとはエインの年末の行事で、その一年世話になった家族や友人に感謝 の気持ちを込めて贈り物をするというものだ。 熱いものが込み上げてきた二ウィーは、思わずムアを抱きしめていた。 「?! ニ、二ウィー?!」 驚いて身体をこわばらせるムアに二ウィーは言った。 「ありがとう、ムア。とても嬉しい」 「……………どう、いたしまして」 ――あたたかい、な。 ムアは真っ赤になりながら、しばらく二ウィーの胸でそのまま抱きしめられてい た。
「……1年前に、なるのか」 「ん?」 ふと呟いたニウィーにムアは振り向いた。また先を歩きながら漫才をしているジ バームとナイラは賑やかというか、騒がしい。 「何が1年前なんだ?」 「この上着と手袋を、ムアからもらったのが」 そう言ってニウィーは自分が身に付けている上着と手袋を示して微笑んだ。 「あ、あぁ……そうだな……」 頷きながら、ムアは服の上から胸の少し上辺りに触れる。下の肌と指先に感じる 小さな硬い石。ニウィーがあの後、『ブルユンの店』で買った霊石のペンダンド だ。見た目はふつうの宝石に見えるが、契約を交わした主人を守る聖なる力を秘め た非常に珍しい石だ。その持ち主によって個々に力の度合いも違い、また色も違 う。ムアの持っているものは淡い緑色をしている。今まで何度も、ムアはこの霊石 に助けられている。そう、あの時もこの石はムアを護ったのだ。 「あのときは、1年後にまさかこんな旅をするなんて思いもよらなかった」 「それはそうだ。誰も未来のことなどわかるものか」 ニウィーの言葉にムアが相槌を打つ。 「またこの1年後に、どうなるかもわからないな」 「まぁな。まだ旅は終わっていないかもしれない。…あまり考えたくないが」 「もしかすると旅は終わっているかもしれない。すべてに決着がつき、ジバームは 城に帰り、ナイラはウルネッドに帰り、ムアは師団に戻るんだろう?」 「当たり前だ。あそこが最高の職場だからな。おまえも、だろ?」 「ああ」 「そんなことより前に、まずは次のポイントへ着かなければな。そっちのほうが目 の前にある」 道の先を見つめて不敵に笑ったムアにニウィーはそうだなと頷きながら続いた。 ハーバッハに出会う、数日前のことだった。
あとがき
……誰よこの2人。 都合によりこれをエンピツに書き込んだのは17日の午後6時ちょい前…。
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