おもゆを食べたその日の夜の食事もおもゆだった。おもゆに和風のお汁その他。最初のおもゆは 味はどうあれ 食事が始まったんだと言う嬉しさで美味しく食べられたのに 夜のおもゆには食欲が湧かなかった。
おもゆとは、お粥を炊いた時の汁をこしたものだ。食べ物と言うより 飲み物みたいな感じ。あんなに食事を楽しみにしていたのに 一瞬にして 食事が苦痛と感じるようになってしまった。でも体の為にムリムリ食べた。
次の朝は、三分粥。おかずもおかずらしい、卵焼きが出た。しかし三分粥と言っても、おもゆにほんの少しの粥が浮いている状態で 殆ど 雰囲気はおもゆだ。やはり 食べるのが苦痛だった。
なんか歯応えのある食べ物が食べたかった。強いて言えば、きゅうりにマヨネーズをつけて バリバリ食べたかった。それとカラリと上がったトンカツとか。あとやっぱり、たこ焼き。しかし無情にもお昼も三分粥が出てきた。
そして夜。次の数字はいくつだ?五分粥だった。贅沢かもしれないけど お粥はもうたくさんだと思った。この次は、七分粥?いや六分だったりしたらどうしようなどと、心配したが、その次にやっと全粥になり 普通のご飯へと移っていった。
全粥の頃から おかずも歯応えのある物が出るようになり 食欲も回復した。食事が楽しみになった。食欲が満たされると 不思議とたこ焼きへの 野望は薄れていった。「一番好きな食べ物は たこ焼き」と答えて良いものなのだろうか。どうだろうか・・・(←どうでも良いですよ
手術から一週間が経った。やっとシャワーの許可が出た。シャワーを浴びたい反面、私は恐れていた。今まで一度も 手術の傷を見れないでいたのだ。シャワーを浴びる時には当然 傷が目に入る。お腹はいったい、どんな風になっているのだろうか。シャワー室で私は、恐る恐る傷に目をやった。
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