ひっそりと、徒然なるままに

2005年02月03日(木) 空腹との闘い。

「ガス出ましたか?」手術が終わってからというもの 看護師さんや先生は、見回りに来る度に聞く。その都度私は「まだです」と答える。お腹はゴロゴロと音を立てて動いているけど 出ない。

もうそれは、合言葉の様だった。「(ガス)出た?」「まだ」の繰り返し。終いには 聞かれるのが イヤになってくる。「出た?」と聞かれる前に「まーだーでーすー」と言いたくなる。手術から3日目の朝も担当医が「ガス出ましたか?」と聞いた。

私は「まだです」と言うと担当医の顔色が少し曇った。「じゃあ 今日の午前中だけ 様子を見ましょう。できれば薬は使いたくないんで」と言った。えー?今日の昼までがタイムリミット?薬って何?私は、急に不安になった。その緊張感が幸いしたのか、その後トイレに行くと 待望のガスが出てくれた。(よっしゃぁー

ものスゴク嬉しかった。隣のベットのAさんに 報告したら「良かったねー」と一緒に喜んでくれた。ガス様様である。看護師さんにも すぐ報告した。それと言うのも、ガスが出なければ 食事も出ないからだ。

手術後3日も経つと 点滴はしているけれど かなり空腹感を感じていた。同じ部屋の人達の食事が運ばれてくると 食べたいのに食べられない辛さがきつかった。その頃 一番憧れていたのは『たこ焼き』何故かたこ焼きが食べたくて 仕方なかった。

人間、こんな時は一番の好物が食べたくなるもの?でも 私の好物って、たこ焼きだっけ?自分でも意外だった。これからは「好きな食べ物はたこ焼きです」と答えた方が 良いのかなぁ(誰に?)と考えてみたりした。

とにかく、これで食べられる。食事が待ち遠しかった。今夜あたりから食事が出るのかなぁ。でも 夜になっても 食事は出ない。看護師さんが「ごめんねー。お食事は明日の朝からだって」と言った。しかし次の朝になると「ごめんねー。お食事がお昼からになっちゃったの」と看護師さん。切なかった。

そして待ちに待ったお昼になり 待望のお食事は、おもゆであった。一口づつスプーンで口へ運ぶ。空っぽになった体の中に染みて行く。決して美味しいものでは ないのだけれど、口の中に食べ物が入る事だけで 私は嬉しい気持ちでいっぱいだった。そして ますます たこ焼きへの野望は燃え盛るのであった。

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らむりん [MAIL]

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