ひっそりと、徒然なるままに

2005年02月02日(水) 笑えない理由。

手術から2日目。朝担当医に「今日からは なるべく動いて下さい。動いた方がガスが早く出ますから」と言われた。このガスが曲者だった。食事は点滴。まだ水分も 舐める程度しか取れてない。とにかく 少しづつ思い体を引きずって ソロリソロリと歩いてみる。

この頃、隣のベットの70代の女性のAさんと話をするようになった。この女性は私より1カ月前に 手術をしている。言わば 私の大先輩。Aさんは 自分の体験を面白おかしく話してくれる。あまりに面白い話をしてくれるので、「これ以上私を笑わせないで下さい」とお願いしたくらい。傷が痛くて 笑えないのだ。

Aさんがまだ 入院していたわけは、手術をしたけれど 癌が取りきれないほどに進行していたからだ。そして抗がん剤の治療をする事になっていた。他の病室にも 何人も抗がん剤治療をしている患者さんがいる。

それまで 癌の告知は家族にこっそりするものだと思っていた。でも この狭い病室の中で 看護師や先生が普通に抗がん剤治療の話しをしている。まるで癌は身近な 有り触れた病気であるかのように。私も癌かもしれない。常に 癌を意識せずにはいられない状況だった。

最近の医療の痛みに対しての療法は、進歩したものだと思った。術後の痛みをあまり 感じなかったのは 背中から痛み止めを管を通して、少しづつ入れているからだと知った。背中から入れるなんて聞くと 恐ろしい感じだけど 腰椎麻酔をした場所から痛み止めを入れてるらしい。(背中なので見えないけど)だから、手術が終わった時にはもう 薬が入っていたのだ。

その日の夜中に その痛み止めがなくなるでしょうと看護師が言った。その通り 朝方になり 腰の痛みで目が覚めた。でも傷の痛みは、それほどなかった。明くる朝 痛み止めを送る管を抜いた。抜く時も痛みは無かった。

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らむりん [MAIL]

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