女房様とお呼びっ!
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2008年02月08日(金) 共生 〜理屈はどうあれ〜

夫についで長く共にあるのは、イリコだ。
何度もこじれてきたが、その主な原因は私の割り切れなさにあったことに気づく。

例えば、先日書いた誕生日のこと、
あるいは「話すことはない」と押し黙ること…etc。
要は、主扱い嵩じてヒト扱いされない折々に、私は焦れたり怒ったり、
ついには奴を絶望させて「奴隷やめます」と言われてもなお、思い至らなかった。


元々奴と私は、主従というままごとをするために結託した仲だ。
主従の役を分け合って、各々がそれに見合った働きをすれば、何の問題もない。
それを役柄にない働きを求めたり求められたりしちゃ、問題が起きて当然だ。

ことに奴の願望は、従らしく振舞う、従として勤めることこそにある。
主と仰ぐひとだから、奴隷として尽くしたいというタイプじゃないんだね。
もちろん、そういう気持ちもあるだろうけど、奴隷たる動機の順番として。

実際奴は、私という「主」役を得て、「そうしたい」ことを満喫してきた。
同時にそれは私の望むところでもあったので、ここまで長く付き合っている。
ときに奴の「そうしたい」ことに不都合を覚えて、そのたび怒り叱責したけれど、
所詮役柄に見合ったものなので、大きくこじれることはなかった。

折角そうして機嫌よくままごとに興じているのに、
役を離れてなにごとかを言う私に、奴もまた割り切れなさを感じたことと思う。
結果、位置的にどうしても奴ばかりが詫びる羽目になり、
挙句「人として…」とまで落ち込ませては、役割以上の負担を強いた。


その繰り返しに疲れたか、二年半ほど前、
やはりこじれている最中に、「この先どうするか考えます」と言われた。
真意を測りかね、そのまま「どうしたいの?」と訊いた。

その以前のメールで、自分のありようがわからなくなったと聞いていた。
奴の思う「主従のありよう」は妄想だったと気づいたとも明かされた。
ひとまず、「共にあることが意義だとわかりました」と結んでいたものの、
なお低迷している様子に、改めて意思を質したい気持ちもあったから。

メールではなく生の声が聞きたくて、電話でその真意を問う。
対面だとこうした用件の場合、さらにこじれて真意どころじゃなくなるからね(笑
果たして奴は、先の結論どおり「共にありたい」と言ってくれたのだけど、
私はなおもこじれを引きずって、止せばいいのに質問を継いだ。

「でも、私はキミの思う『主』じゃないんでしょ?」
「……ええ、そうですけど、傍にいたいんです」
「主と思えなくてもかまわないの?」
「……はい」

さすがにちょっと参ったけど、それで悩むにはいたらなかった。
なぜならこのとき、かつて夫に言い切られた言葉が脳裏に蘇ったからだ。
「ボクはキミを愛してない、けど、都合がいいから一緒にいるよ」

愛であれ都合であれ、一緒にいることにそう違いはなかった。
主と見なされずともこのままいれば、おんなじなんじゃないかしら…。
理屈はどうあれ現実的には、互いになんの不都合もないんだもの。
正直、まぁいいか〜と思ったのよね、本当に。


酷い合理化かもしれないけど、結果的にそれでよかったと思っている。

少なくとも私は、「主とは」なんて勢い込まずに済んで、そのせいだか、
色んな面で鈍感…よく言えば鷹揚wになって、無茶言うことも減ったかな。
実際、あれから殆どこじれてないでしょ?(笑>イリコちん
キミにしたって、それなりに「従」役楽しんでると思うんだけど、さて。

ま、今にして「やっぱり主と思ってます〜」とか言われたら、
それはそれでありがたいけど、実のところ、どうでもいいかな、スマンw;
 


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