女房様とお呼びっ!
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2005年02月21日(月) |
「お気持ち」問題 【前説】 |
「お気持ち」問題とはなんぞや?については、こちらをご覧頂くことにして、 早速、この質疑に至った状況の説明に入る。
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話は少し遡るが、今年の初っ端、イリコと洒落にならない一悶着があった。 私たちの間柄では、喧嘩にすらならず、各々が苦い思いを飲み込んだような成行きだ。 もっとも、どっちがより苦汁を舐めたかと言えば、明白に私のほうで、 これには奴も異論はないと思う。
そんな目に遭えば、当然奴への怒り心頭だったが、どうにか抑えるべく腐心した。 なぜなら、ひとたび私が怒りを露わにしてしまえば、 それでなくともダメージを負っている奴に、更に追い討ちをかけることになり、 様々な思わしくない影響が出るのは必至で、結果私に跳ね返ってくるからだ。 ことに、その一週間後には、彼を交えた社交の場が控えており、 なんとしても穏便に済ませなければならなかった。
その後、奴には「私は怒っているんだよ」ということは伝えたが、 無理やり抑え込んだにせよ、一週間も経てばほとぼりも冷め、 結局、そう言葉にしただけで終わってしまった。 とはいえ、一度たぎる程に煮えた腹が、あっさり元通りになるはずもない。
つまりは、以来、その日まで、私の機嫌は傾いたままだった。 本当は私だって機嫌よくいたいのだが、簡単に快復させてくれないのだ、奴が(笑 ちょっと上向きかけると、狙いすましたようにヘタを打ち、再び機嫌の角度を下げてくれる。
いきおい、口を開けば、文句ばかりとなり、 文句以外は話す気にもならず、黙り込むことが多くなった。
そうなると、奴は、過去の轍を踏むまじと懸命に話題をとるのだが、 こちらが不機嫌なせいで、ちっとも面白くない。 まぁ、大体、普段から面白いことを話す人間ではないが、それが度重なると、 毎度毎度天気の話ばっかりだなぁとか、他に話すことはないのか?とか、 細かいところまで見えてきて、いよいよ気持ちが捻じてしまう。
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確かに、何度顔を合わせても、天気の話しかしない人はいる。 話の糸口になる共通項がなければ当然だし、 おおよその人とは、その程度で付き合いが続く、その程度の付き合いなのだ。
けれど、この男と私は、ただの顔見知りではない。 仕事も趣味も生活も異にしてるけど、共通の話題はいくらだってあるはずなのに、 なにゆえ天気の話ばかりするんだろう? 初対面の間柄だって、長々同席するのなら、天気の話ばかりじゃ飽きられるし、 だいいち、そんなに気が利かなくては、失礼じゃないの。
自分の身に置き換えて考えたとき、 気の置けない人はもちろん、どうでもいい人でさえ、 何かしら話のタネを見つけて、互いの居心地がよくなるように努力する。 事前に相手の情報を得ているなら、そこに話題をとって、心証をよくしたいとも思う。 自分がホステスの位置ならば尚更、それは立派にもてなしだろうと思うのだ。
もっとも、その相手が、黙りこくってるのが一番心地いいというのなら、話は別だ。 それこそ、お天気の話くらいでお茶を濁しておくかな。
ただ、私は黙りこくるのは苦手だし、天気の話に相槌打ってれば心地いい人間でもない。 いかな奴だって、4年も付き合えば、それくらいわかっていようものを。
確かに、普段は私のほうから話題を取ることが多いので、奴がそこに気を払う必要はない。 が、いざ私が口をつぐんでみれば、阿呆のように同じ話ばかり。 奴にすれば、それで充分気を払っているつもりなのかもしれないが、 私にすれば、気の効かないヤツと苦々しくも思うわけで。
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以前の記事で、こんなことを書いた。 一昨年の春、「話すことはないの?」「そうですね」の問答から、苦悩した折の記述だ。
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話すことがないなんて、話題を取ろうと思ったら、材料は幾らでもあるじゃない? 例えばここに掲げる記事だって、ここ暫くはキミのことばかりじゃない? 細々やってるHPだけど、最近は色々手を入れてるじゃない? 週末に予定してるイベントには興味がないの? 温泉に行こうとも言ったでしょう? 他にも色々あるじゃない・・・。 もっとも、私が良かれと思うあれこれに、奴が必ず興味を抱くはずもないとは思う。 奴隷という立場では、興味があろうがなかろうが、自動的に従うだけなのかもしれないし、 そうするのが正しいと思っているのかもしれない。 とすれば、私の思いや言動は、ただのおためごかしに成り果てて、空回りしてるのかしら。
いや、本当はわかってるのよ。 キミのためになんて唱えること自体、自己満足に過ぎないってのは。だから。 おためごかしの全てに付き合えなんて思わない。そこまで、私は能天気じゃない。
でもね、偶にはママが用意した玩具で遊んで見せてよと思う。気に入らない玩具でもね。 けれど、これってやっぱ、ママの我侭なのかなぁ。
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今回、「キミは私の何に興味があるの?」と訊いた真意は、このときと殆ど同じだ。 結局、その真意をよそに、図らずも別の意味で唸る回答を得たけれども。
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