女房様とお呼びっ!
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2005年02月20日(日) なにゆえ複数派か?

複数派を明言すると、往々、
「どうしてひとりの相手じゃダメなんですか?」と訊かれてしまう。
私からすれば、「どうしてひとりじゃないとダメなんですか?」と訊き返したいところだが、
流石にそうもいかないので、どうにか答えてはみる。

ノンケの関係について、そう質された頃には、
「セックスって食事みたいなものだから、色んな人と楽しみたいのよ」
なんて誤魔化していた。
まぁそれくらいあっさりと色んな男と寝たし、
それで口に合わなければ、二度と喰わなければいいだけの話だった。
セックス−フレンドって、便利な言葉もあるしね(笑。

「恋愛についてもですか?」
そう突っ込まれることも少なからずあったが、生憎私はそこまで器用な人間じゃない。
二股かけるのは、倫理よりも先に心情的に無理がある。

「いや、恋愛はホラ、宗教みたいなもんですから…」
胡散臭い文言で、質問者を煙に巻いた。
もっとマシな説明も出来なくはないが、第三者にそこまでする必要もあるまい。
そんなの、当事者同士が了解すればいいことだ。



むろん、当事者に、あるいは当事者になる前提で、そう訊かれれれば、
このときばかりは、自分なりに誠実に答えるしかない。
たとえ、答えそのものが不実なものであるにしても(笑。

それは、複数を相手に持つ際の、避けて通れない段取りのようなものだ。
このとき、相手は不審や不安を抱いたり、私との関係を納得したがったりしてるワケで、
それをうやむやにしてしまっては、良好な関係を築けようはずもなく、
結果自分が楽しめなくなる。

もちろん、どれ程言葉を尽くそうと、相手の懸念の一切が払われることはないだろう。
それでも、逐一の労を惜しんでは、複数を相手になんか出来やしない。
よほどのカリスマがあれば、話は別だけど。

もっとも、私に限って言えば、この作業に悩まされたことはあまりない。
いや、私にカリスマがあるってんじゃなくて(笑。
元々、独占欲の強い男とか悋気の過ぎる男を好まないので、
端から相手に選ぶはずもなく、自ずと面倒を避けてるだけのこと。

それに、男の場合、自分の位置に納得すれば、結構それで済んでしまう。
たぶん、これは、オスが本能的に持つ序列意識に由来すると推察しているのだが、
その点、複数の女を相手にするのは、よほど難儀だろうと想像する。

女の場合、自分の他に女がいることは認めても、
その中でも自分は特別と思いたがるのではないかと思うのだ。
ゆえに、序列としての相対位置を説明しても、恐らく意味がない。
実際、上手に女をあしらう男は、どの女にも「キミは特別なんだ」と言い含める。
もしかしたら、本心からそうなのかもしれないが、いずれにせよ、ご苦労なことだ。

そうまでして、女たちを取り回す男の心境は、
女の身で、しかも完全へテロの私にはわかりようもないけれど、
私がたとえ遊び事でも女を相手にしないのは、そういう面倒を厭うからでもある。



さて、ここでようやく、SM関係において、
「どうしてひとりの相手じゃダメなんですか?」について。

実のところ、SM関係という前提を得て、この質問に答えるのは格段に容易になった。
いわゆるSM的倫理観に助けられる部分もあるし、セックスという行為が孕む貞操観念も、
プレイと称されるSM行為においては、さほど問われない。
単純なセックスと違って、多様なSM行為は多様な相手を選ぶんだという、
ありがたい共通意識もある。

もっとも、私としては、ノンケの関係であろうが、SMの関係であろうが、
先の記事に書いたとおり、まるで同一の感覚なので、
これが受容される環境が、SM関係という前提の中にはあったってだけなんだけれど(笑。

そんなワケで、
「私の相手をひとりでまかなえるんなら、それでもいいんですけど…」
なんて、無茶な御託を並べては、ひとり悦に入っている。
事実、これは、プレイだけの関係にしても、
心的な関係性を伴うDS関係にしても使える理由なので、便利だ。
SM関係の特殊性を、切実にありがたく思う。



ちなみに、私の場合、プレイだけの関係の相手は「プレイパートナー」と呼び、
DS関係の相手は「奴隷」と呼ぶ。
いずれが複数、または合わせて複数、どれもありだ。
複数持つ理由、あるいは動機は、上に同じ。

ときに、両者の違いを訊かれることがある。
自分の相対位置を確認したい当事者なら、当然知りたいことだろうし、
第三者的な興味を抱かれても、答えるにやぶさかでない。

大抵は、
「プレイパートナーはセックスフレンドみたいな、奴隷は伴侶のようなもんです」
と説明するのだが、たまに「伴侶」を「恋人」と読み違える人がいて困る(笑。

私にとって、相手との関係性と、
その相手と恋愛するかどうかってのは、まったく次元が違うのだ。
恋して始まる関係ならいざしらず、恋愛を期した関係なんてあるのか?とさえ思う。
関係性ありきの場合、恋愛するかどうかは不可測で、いずれとも可能性はあるワケだ。
実際、プレイパートナーと、あるいは奴隷と恋に落ちたことはあるものねぇ。

ゆえに、「プレイパートナーって即物的で味気ないような…」
などと感想だか疑問だか賜ることもあるけど、実感としてはそうじゃない。
そう思われるのは勝手だが、味気ない食事をするために、わざわざ相手を探したりするものか。

誰でもいいから複数派なんじゃなくて、
得難い相手ゆえに得た以上、手放したくないから複数派なんだよ、ワトソン君。


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