女房様とお呼びっ!
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2005年01月28日(金) どっちが口説くか

男女が交際を始めるなり、カラダだけにせよ関係を持つときには、
必ず、どちらかが口火を切る必要がある。

どっちもその気になってても、
どっちかが「やろう」とか「やらないか?」とか言い出さない限り、何も始まらない。
「やらせろ(やって)!」とか「やらせて(やって)下さい」で始まることもあるだろう。

確かに、いつのまにやら、なし崩しってパターンもある。
男女の仲なら、よくあることだ。
が、それにしたって、どちらかが先手を打ってこそ、なし崩せるわけで。

いずれにせよ、二人揃って、相手から口説かれるのを待っていては、待つだけ無駄だ。
それどころか、待つのに焦れたり疲れたり、挙句腹を立てたり、その気が失せたりしてしまう。
一般に、そうなるケースは女のほうに多い。



このとき、女は、「女は待つもの」という倫理観だか行儀作法だかに囚われて、
はたまた、性格的に自分から言い出せなくて、ひたすら男の沙汰を待つ。
「口説かれてナンボ」という見栄とかプライドから、そうする場合もあるしね。

対する男に、その気がなければ致し方ないが、
女同様その気はあるのに、これまた同じく受身な性格だったとすれば、
巡りあわせが悪いとしか言いようがない。
見栄にしてもプライドにしても、女心を慮れないような男なら、諦めたほうがマシだ。

ただ、男には、「男は待つもの」というお作法は(たぶん)ない。
彼もまた、「口説かれてナンボ」と思ってるなら、話は別だけど(笑

ところが、この男がM魚である場合、話はちょいとややこしくなる。
性格的に受身であるかどうかはさておき、M側としての作法、
ひいては、S側とM側の関わり方についての理念に囚われる場合が往々あるのだ。

いや…理念というと、いかにもお仕着せのルールのようだが、
この場合、理想と言い換えたほうが適当かもしれない。
女が、男には惚れられてこそと夢見るように。
理想を抱けば、それはM魚としてのプライドとか主義に繋がることもあろうか。
これまた、口説かれてナンボと頑なになる女のように。



ここで改めて、S側とM側の関わり方について。

言うまでもなく、S側とM側の関係性は、能動対受動である。
ゆえに、具体的な行動の上でも、S側が主導し、M側が追従することになる。
これに照らせば、両者が関わる最初の契機もS側がつくり、M側が応じるのが道理だ。

もっとも、最初の契機においては、M側が主導して、S側を選ぶべきとか、
M側こそ願い出るべきで、あとはS側の意思次第とか、
上と逆行する理念は各々あるようだけど。(これは、DSよりの人に多いかな)

…話を戻して。

道理は道理として、さてここで、S側が女で、M側が男のとき、どうなるか。
S男性がM女性を口説くには、およそ問題はないだろうが、S女とM魚の場合、
この道理と「女は待つもの」「口説かれてナンボ」の事情がぶつかってしまうのだ。

もちろん、待たない女はそれなりにいる。
実際、イマドキは、女が男を口説くなんて珍しくもない。
S性を備えた女ともなれば、いきおい積極的な女である確率は高いだろう。

…いや、M魚的には、高いはずだ、高いもんだと思っているかもしれないね。
更に理想に照らして、S女は総じて積極的で、男を口説くもんだとか、
M魚相手なら当然だとか、思い込んでいる組もあるはずだ。



しかして、そうでない女もいるのだ。
少なくとも、私はそうだ。
ので、私を相手にするなら、待ってれば口説いてくれるなんて期待しちゃいけない(笑。

もっとも、私だって、自分から口説くときもある。
まぁ、私の場合、口説くといっても、
根本的に受動の欲情システム上での変則なので、大きなことは言えないが(笑。

例えば、主従を期した出会いなら、
お試しだなんだにかこつけてでも、こちらが主導せずばなるまい。
プレイだけの関係にしても、こっちから粉かけたときには、きちんとケジメをつける。

つまり、私が自分から口説くのは、筋として、そうしてるだけであって、
S側としての道理に従っているわけでも、積極的な女だからでもないんだね。



さて、再び、件のM魚との次第を振り返る。
ご本人には、何度も俎上にのせて誠に申し訳ないが、今しばらくご勘弁願いたい。

彼との成り行きは、彼のほうから、ご提案を受ける形で始まった。
ゆえに、私の感覚からすれば、口説かれるのは自分のほうだと思った。
ところが、二度も対面しながら、一向口説いてみえる気配がない。
僅かにアクションはあったものの、口頭でもメールでも、明白な意思が示されない。

確かに、メールの折々、私に焦点をあてた願望が告白されてはいた。
それをもって、こちらから、「じゃあ、やってみましょう」と口説けばよかったのかもしれない。
あるいは、「口説いてやって下さいね」と水を向ければよかったのかもしれない。

けれども、私には、そこまでの能動的な意思も優しさも持ち得なかった。
正直に言えば、会ってくれと言われて会って、
その上に、そこまでお膳立てまでする気にはなれなかったのだ。

一方、彼にしてみれば、M側のお作法に則って、
あるいは、M的理想を心に抱いて、私の沙汰を待っていたのではないか。
S女なんだから、気に入れば口説いてくれるはずと期していたのではないか。

そう思えば、ここにも、両者間の大きな食い違いがあったことになる。



今更の話になるが、
彼のほうから「プレイして下さい」とはっきり請うてきていたなら、
たぶん、私は応じたはずだ。

もっとも、そこまで私が望まれなかっただけかもしれないけど。


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