女房様とお呼びっ!
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2005年01月26日(水) 行為の嗜好の相性

結論から言えば、件のM魚との交渉は不首尾に終わった。

先の質問への回答を保留したまま、ひと月が過ぎ、
その間、断続的にここへ婉曲に彼に向けた記事を掲げては、
再度彼からのアプローチを待つという卑怯な手段に及んだ結果、
果たして、再び長い長いメールを頂いた。

そのデータ量に込められた労力、いやそれ以上に、
音無の相手に重ねてメールを送らんとする心労を思えば、敬服するばかりだ。
実際、無礼を働きながらも、変わらずご厚情頂いたことを嬉しく思った。

しかしながら、その内容を一読するや、またしても落胆してしまう。
そのメールの長きを見れば、彼が渾身の思いで綴って下さったことは充分わかる。
けれど、それらは依然として「わかりきったこと」で、それ以上の、
明確な意思や提案といった、私が検討すべき具体的な方針を見つけられなかったのだ。

落胆は、やがて不快に転じ、腹立たしささえ覚えるに至る。
そのせいで、先の質問に対する違和感を、遅まきながらメールにしたためた。
業を煮やした感じで、「いったいどうされたいのですか?」と書いた。

しかして、このメールをもって、私たちの交渉は頓挫した。
彼のほうから、提案を取り下げてみえた格好だ。
もちろん、これまでに変わらず丁寧な返信を頂いて、その理由と思しき見解や謝意も承った。

互いに労力を費やしながら、残念な結果に終わってしまったわけだが、
そのこと自体は致し方ないことと納得している。
ロクな遣り取りもしないうちに、「ご縁がなかったのですね」と丸められるよりは、ずっといい(笑



さて、私の不躾がおおよその理由だろうと危ぶみつつ、
彼の意思が半ばにして折れてしまった原因について。

こちらを慮ってか、はっきりとした結論が書かれてないので、推測の域をでないが、
SM関係における相性についての両者の認識にズレを感じたせいらしい。

曰く、行為の嗜好についての相性が大切と思い込んでいたと。
対し、確たる嗜好も明かさず、訊かれても答えず、
あまつさえ、「まんこの具合を訊いてどうする?」と開き直る私を相手にしては、
彼もまた途方に暮れたに違いない。

もっとも、「その気がすべてだ」と吠えた記事をご覧になってか、
ご自身の見解を、「未だ行為主体で考えているからだ」と曲げてご配慮頂いたが、
恐らくは、やっぱり理解に難いことと思う。

そもプレイだけの関係を目指したのだから、彼の見解は何ら間違っていない。
たぶん、SM関係(プレイだけの関係に限らず)を実践している、
あるいは目指す方々のおおかたは、賛意を示すはずだ。

それに、プレイだけの関係を結ぶなら、
各々が嗜好やしたいことを呈示しあって、合致した部分で関わるのが、正道だろう。
そうすれば、互いの満足も、ひいては、相手を満足させられる保証も得られて、安心だ。



同様、私にあっても異論はない。
私の嗜好に全くそぐわない、例えば、派手な露出好きの人と関係をもとう、もてるとは思わないからだ。

しかしながら、私には「好きなプレイ」、
正確に言えば、これをヤらなきゃSMじゃない的必須のプレイがない。
もちろん、いくつかのNGプレイはあるが、
それ以外はOKですよ〜とアナウンスされて、さて相手側はどう思うか。
ことプレイだけの関係を目指す相手ならば、一層、
一体何をされるんだろう?と不安に思うのは、自明のことである。

ならば…と嗜好を訊かれても、
元々性妄想を具現するためにSMに手を染めたクチではないので、
答えたところで、せいぜいが思考や行動パターンに成り果てて、
具体的な行為を示唆するには至らず、やっぱり不安ばかりを与えてしまうに違いない。

もっとも、私としては、
その不安をも楽しんで欲しいと(それがひいては、私の満足に繋がるワケで)、
予定調和のプレイ(注)されても面白くなかろう?という言い訳を携えてこれまで来たのだが、
そんな独り善がりな言い訳はなかなか通用しないのも道理だ。



繰り返しとなるが、私には必須のプレイがない。
翻って、相手にも、その意味でのハードルは設けない。
もちろん、M側に必須のプレイがあっても構わないし、NGプレイもあって当然だろう。
むしろ、実際の行為に及ぶ上で、それらの情報は必要不可欠だ。

これと同位に、M側にも、私についての具体的な情報も必要不可欠なのかもしれないが、
上の事情から、私のプレイは相手次第としか言いようがないのだ。
とはいえ、SMプレイのセオリから、また私個人の心情から、
相手の言いなりになりますよってなことでは、むろんないけど(笑。

せめての安心材料として、アレが出来ますか、コレはダメですかと訊かれれば、
’なるべく’答えるようにはしている。
確かに、答えない場合もままあるが、SMプレイを期すればこそ、そうしてるまで。



…と、件の彼との次第に話を戻そう。

彼は、私との関係において、具体的な行為の相性に確信を得られず、呻吟していたかもしれないが、
大枠では、決して合ってないわけではなかったと私は考えている。
だからこそ、プレイには及ばずとも、二度も対面したワケで。

食い違いがあったとすれば、関係を進める方針、ないしは時機を窺う目のようなもの。
もっとも、これこそが関係が成立するか否かの、大きな分かれ目になると思うのだけど。

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注:SMプレイが根本的に予定調和の上に成り立つとしても、です(笑


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