女房様とお呼びっ!
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金で買う関係あるいは行為について、私はなにも否定しない。 むしろ、合理的だと思うし、あってしかるべきと考える。 これは一般論としてではなく、まさに自分の身に引き寄せて感じていることだ。
私が深く関わったM魚は、総じて一時期SMクラブにハマっている。 当然、プレイ初体験もクラブで果たしていて、 その時期には多少ばらつきがあるものの、おおよそは20代でクラブの門を叩いたと聞く。 (唯一の例外がいるが、こやつは天性のMなので除く、笑)
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私のような素人S女が釣りに出ると、未経験のM魚によく出喰わす。 彼らの多くは、なにがしかの興味をもって、一度経験してみたいと言う。 あるいは無邪気な好奇心から、自分がMだかどうだか試してみたいという組もある。
それを受けて、「だったら一度SMクラブに行ってみては?」と水を向けるのだが、 かなりの割合で難色を示されるのがオチだ。 いわく「クラブは怖くて…」とか「金絡みだとどうも…」とか。 それで、素人に相手して欲しいのだ、だから探しているのだと言い募る。
素人の立場で物言えば、クラブのほうがよほど安全だし、明朗会計(笑)だと思うけど、 まぁ、誰がどんな希望を抱こうと自由だし、望みが叶えられる可能性もままあるワケで、 「じゃ、いい人と出会えればいいわね…」と丸めて、捨て置くのがせいぜいだ。
もっとも最近では、初体験は愛する人と…と願うウブい処女みたいなM魚も増えていて、 それはそれでわかりやすい希望だし、関わらずとも尊重したいと思っている。
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…と、処女の喩えを引いたところで、強引に童貞のそれも引いてみよう(笑。
生憎というか当然のこと、私は童貞だった経験はないが、 童貞クンが初体験に向かう衝動については、ある程度想像できる。 恐らくそれは、処女が「愛する人と…」と夢みるような期待とは全く異質の、 極めて現実的なのっぴきならない衝動だろうと思うのだ。
もちろん同じ男でも個人差があって、激しい衝動を抱えつつも、 ちゃんと好きになって交際した人と果たしたいと願うむきもあるだろう。 実際、そういうまっとうな手段で初体験を済ませた人も多いと思う。
他方、とにかくヤってみたい、ヤらねば〜と勢い込んで、 しかるべき場所に駆け込む童貞クンも、決して少なくないはずだ。 そりゃあ、どれ程ヤリたいとテンパってても、 初めての経験とてそれなりに怖いだろうし、当然それなりに金もかかる。 それでも止むにやまれぬ衝動に駆られて、エイヤとソープの門を叩くに違いない。
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そして、話は冒頭に戻る。
私とウマがあったM魚たちは、皆SM童貞をクラブで捨てた組だ、それも若い時分に。 つまり、怖かろうが、金かかろうが、 それを圧しても行かずばならない衝動が彼らに生じたということだ。
しかるにこれは、彼らのM性(癖)の強さ、ないしは業の深さが導いた結果なのではないか。 機会があればヤってみたいなんて甘ちょろい興味でも、 一度試してみようカナなんて出来心でもない、抗い難い運命のように。
翻って、私にとっては、そういう輩とガップリ四つに組むことで、 必然として湧き上がるS的な快楽を得ることが出来るのだ。 彼らのM性の強さに煽られては、私の中にもS的希求が昂まっていく。 合わせ鏡のあっちとこっちで幾重にも感応しあって、 その真奥から、まさに悪魔的な快楽が呼ばれるような経験は、そうした彼らと果たした。
もし彼らが、原初的でピュアな欲望に駆られたときに、 SMクラブという受け皿がなかったらどうなっていただろう。 おそらくは自意識の旺盛な年頃のこと、そうした衝動を持つ自分を否定したり、 代償行為に走ったり、あまり芳しくない成行きを招いてしまうような気がする。 (それらは、まだSMが珍奇なものであった頃、先人が辿った苦難の道だ)
だいいち、折角芽吹いた若い芽が、はかなく自滅してしまっては、 花も実も愛でられないではないか……それは本当に困る(笑。
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というワケで、私の本音としては、 SMクラブに行くのをためらう程度のM魚なら、更に言えば、 いい年こいて、怖いのなんのとグズグズ言い訳ばかりしてるヨロメキM魚なんて、 願い下げなんだよね(笑
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