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2004年08月29日(日) ロボット工学三原則について by イリコ


 ※前回記事の次第で、イリコが得々と語った事柄について、
  後日、本人にテキストで説明してもらいました。

  SM関係であれDS(主従)関係であれ、
  ’現実にヒトが関わる以上、互いにヒトとしての尊厳を守り、尊重すべき’
  という観点にたつ私には、「だからナニ?」と鼻白むばかりの内容ですが、
  ひとまず、奴がロボットに思い入れる一端を窺い知ることはできます。

  もっとも、SMファンタジーとヒトとしての現実を折り合わせるにおいて、
  ファンタジーの象徴たる「ロボット」に範をとるあたり、やはり理解に苦しみます(笑
  もちろん、ロボットに憧れる奴にとっては十二分に現実的な解だったのでしょうが。





米国のSF作家アイザック・アシモフは、彼の短編集『われはロボット』(1950年)のなかで、
ロボットの思考原理として『ロボット工学三原則』を考え出しました。


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第1条

ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第2条

ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。
ただし、あたえられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。

第3条

ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのないかぎり、
自己をまもらなければならない。

           (アイザック・アシモフ「われはロボット」小尾芙佐訳より)

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一般的にマゾヒストは、サディストに対し絶対服従ということが言い習わされております。
もちろん私も、共感できるところは多大にあります。
しかしながら、実を申し上げますと、
「本当にそうだろうか」「それでいいのだろうか」という疑念を、以前より持ち続けております。

その疑念に、ある程度の回答を与えてくれたのが「ロボット三原則」ということになります。
ここでロボットをマゾヒスト、人間を女性ないしは主と読み替えれば、
M男性にとってかなり納得のいく概念ではなかろうかと感じております。


冒頭示した概念は、三原則に照らせば第2条に当たることになります。
しかし三原則においては、より上位に第1条があります。
ここが、私が三原則を支持する所以です。

例えば、フリーのM男性がいたとしましょう。
その男性に、S女性が何らかの指示をしたとします。
通常考えれば、その指示に従うのが当然といえましょう。
しかしながら、もしその指示が他の女性に不愉快な事態をもたらすものだった場合、
指示を受けたM男性には相当な葛藤が起こると思われます。
そのような局面にある程度の指針を示してくれるのが、「三原則」ではなかろうかと考えております。


さらに、「三原則」は第3条において、自己を保護することを規定しています。
ここも、私の琴線に触れるところです。

以前**様に、「私の体は**様の物であると申し上げたことがあります。
バイクツーリングに出かける時のことです。
つまり私は、パートナーを得たマゾヒストは、自ら勝手な振舞いは許されないと考えているのです。
敬愛する主のために、自らの安全を確保する義務があると考えています。

しかしながら第3条は、自己犠牲をも求めています。
第1条2条を満たすために、自己の安全を放棄することを求めています。
まさに、マゾヒストの本懐とすべきところと感じます。


以上の点から、
「ロボット三原則」がDSの世界に適用されうるものと考える次第です。


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