女房様とお呼びっ!
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2004年05月14日(金) イリコの感想文 11

本当のことを申し上げれば、なぜあの時首輪をお願いしたのか、実はわかっておりません。
**様もご存知のとおり、私は様々な事象を理由付けることを好みます。
悪癖といえるかもしれません。

ただあの時は、そうしたい、戻りたいという、言うに止まれぬ衝動が沸き起こったのです。
理由はありませんし、理由付けることも出来ません。
私の表情が変わったことにお気づきになったようですが、それはこの衝動に驚いたからでした。

勿論、口にするには大きな躊躇いがありました。
その後なかなか言葉が出なかったのは、その事に苦悶したからです。
この事態を私自身が望んだことは、十分に承知していました。
**様を著しく傷つけたことも判っていました。
しかしそれを打破するほどの想いが、その時私の中に生まれました。

さらには、**様に何かを願うことを、異様に恐れていたというのもあります。
その点では、私は未だに殻を脱しきれていなかったのかもしれません。
言葉を発した直後の私の様子は、惑う心を圧して言葉を発したことによるものでした。

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記事によると、その後の展開は**様にとって、半ば自動的なものだったようです。
確かに、急転直下の展開でございました。
この点でも、私は**様を無視してことを進めてしまったように感じられます。

私自身も、その願いが受け入れて頂けるかは半信半疑でした。
その願いを受け入れて頂いて、大変感謝いたしました。
ただ、自分でも驚くほどに、いつも通りの動きと情動が戻ってまいりました。
それが**様の反応に呼応したものなのか、今となっては判りません。
どちらかといえば、私の独り善がりに寄るものであったような気がしております。
もう少し**様のお気持ちを伺うべきであったと反省しております。

**様には、以後も奇妙な感覚が残りつづけていたのですね。
あれだけのことがあったのですから、ごもっともなことと思われます。
記録を紐解きますと、当日の**様の就寝時刻は23時45分でした。
私も早いなと感じましたが、考えてみますれば、
ホテルには15時に入っていたのですから、9時間対話していたことになります。
十分に長い時間であったと思われます。

一夜が明けた後、全てがリセットされたとは考えておりませんでした。
ご寵愛を頂いている時は夢中でしたが、前夜の記憶はありありと脳裏に焼き付いておりました。
ただ、**様が空を見上げていた時、私は**様を感じていたのです。
其処には、確かな実在がありました。

髭については、申し訳ありませんでした。
剃り忘れたのは間違いないですし、其処まで気が回りませんでした。
また、最後の言葉に着いても深くお詫びいたします。
申し訳ないのですが、そういう言葉を発していたと、この記事を拝見して初めて知りました。
やれやれというのも、そのようなつもりはありませんでした。

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帰宅後直ちに頂戴したメールには、そのような意味があったのですね。
それだけ、私が**様に与えたダメージは大きかったに違いありません。
それを思うと、何とも申し開きが立ちません。
当日だけでなく、その後もご心痛をおかけしたのですから。

確かに私は、自分の中で完結させてしまう傾向があります。
そしてそれは、**様の存在を無視することに繋がってしまいました。
あの一夜を過ごした**様が、記事にあるようなご懸念を抱くのは、無理ないことかと存じます。
しかも私は、突然別れを表明し、突然戻ると申し上げたのですから。
その急激な振幅に、**様が私への信用を失うのはごもっともなことと思われます。


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