女房様とお呼びっ!
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2004年05月13日(木) イリコの感想文 10

泣いた直後のことは、実は覚えておりません。
身の回りを整えたことは、恐らく反射的に行ったものと思われます。
まるっきり空っぽに、無になっておりました。
目は開いていたものの、意識が飛んでいたかも知れません。

横に座るようお誘い頂いたのは覚えております。
確かに、肩を並べていれば相対することは無いですね。
私が**様とご一緒すると緊張するように、**様も私と相対していると気を張ってしまうのでしょうか。
**様にはリラックスして頂きたいと願っておりましたが、やはりそこには厳然と存在するものがあるのでしょう。

私の狭量さにお心遣い頂き、深く感謝しております。
さぞかし辛い日々だったことでしょう。
自由闊達なコミュニケーションを確立できず、**様の振舞いを受け入れられなかったことを、
大変に申し訳なく思っております。

この章の最後の一文は、大変に心苦しく拝見しました。
この感想文を通じて、随所に現される**様の心象が、とても胸に迫ってまいります。
今更ながらに人の心の奥深さに触れた心持です。

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当たり前のことですが、**様と私が肩を並べて歩いたことは何度もあります。
身長だけを比べれば、**様がヒールをお履きになっても私のほうが少しは高いでしょう。
それでも小さく見えていたということは、座り位置もさり乍らお互いの関係性がそう見せていたのでしょう。

お店などで、並んで座ったこともございます。当然に肩は並んでおりました。
しかしこの時は、その関係が破綻しつつありました。
となれば、**様の目に映る私は、違った姿を見せていたのかもしれません。

**様のお気持ちが、遠くへ消え去っていくご様子がありありと綴られ、大変に苦しく拝見しました。
しかし、そうさせてしまったのは私でした。
この時、確かに私たちは終っていたのでしょう。
あの2ヶ月間、私が苦しみつづけたのと同じように、**様も苦しんだに相違ありません。
それを思うと、何とも申し訳がありません。

**様からお詫びを頂いた時のことは、よく覚えております。
**様は、まっすぐ私の目を見て、お言葉を述べてくださいました。
**様に私が違った姿に見えていたように、その時の**様は私が初めて拝見する姿でした。
そう感じたということは、私も今までに無い心境にあったということかもしれません。
そしてそのお心のこもった、飾らないお言葉が、私の胸の中にストンと入ってきたのでした。

**様からお詫びを頂戴した後のことは、私も今となっては記憶が薄れております。
ただ、すっかり暗くなった部屋の中で、**様が少しずつ、
私に語るでもなく、お言葉を続けていらしたのを覚えております。
記事では書かれておりませんでしたが、ご友人のことなども触れられておりました。

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ホテル7」も、傷つき打ちのめされた**様の心象が綴られており、辛かったご様子が伝わってまいります。
「犬」さんとのことは以前にも伺いました。
私は「犬」さんの足元にも及びませんが、そのように思っていてくださったことを知り、感無量です。

**様が泣いておられるところを拝見したのは、3年前の一件以来2度目です。(註※)
その時とは違い、声こそ出されなかったものの、細く長い啜り泣きが続きました。
私は、**様が泣きも笑いもする「人」であるということを、この時初めて理解したのかもしれません。
**様は「タダノヒト」に戻ったと書かれておりましたが、この時私もそう思ったわけではありません。
しかしその時、私の心中にそれまでに無かった転回というか、転機が訪れたことは確かでした。

その後私が発したお詫びの言葉は、それを受けてのものでした。
まさに遅きに失したということになりますが、その時は、素直にその言葉が出ました。
いえ、お詫びしなくてはいけないと感じたのです。




註※:三年前に泣いたのは電話越しでしたw


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