女房様とお呼びっ!
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**様からすれば、穏やかに過ぎ行く有様が奇異に感じられたようです。 これはメールでも差し上げましたし口頭でも申し上げましたが、 事態がここまで至った原因は、私の気持ちが磨耗したからでした。 其処まで昂ぶるものが、既に私の中には無くなってしまったのです。 また、先の誓いが心の中にあったということも言えます。
さらに、私にとっての主従関係は、上下関係に近いものがあったということも挙げられます。 これは私たちが知り合ったころに、既に**様にご指摘頂いておりますね。 記事にも書いておられますように、 男女間の別れというよりは、職を辞するような感覚が、私の心象には近いものでした。
**様には2回大変な思いをさせてしまったわけですが、決してこれが私のやり方というわけではありません。 しかし、過去の女性経験においても、別れ際に修羅場になったことが実はありません。 ひょっとしたら、私の性格、気質によって、このようになってしまっているのかもしれません。
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私に決定的に欠けていたものは、 この関係が二人で作っているもの、二人のためのものであったという認識でした。 SM的主従関係という「かたち」に引きずられ過ぎ、お互いの立場を分けて考えていました。 だから、**様の許しを求めることがありませんでしたし、自らで完結してしまったのでしょう。
M男性の基本概念として、「主様のために・・・」というのがありますね。 よく聞く言葉です。 実は私は、この表現には違和感を感じていました。 自分を例に取れば、「この関係は**様のためです」と考えることに、非常なためらいを覚えていました。
あの出来事を経過し、時間も過ぎて、さらに**様の記事も拝見して、 この関係が二人のためであることを、私のためでもあり、**様のためでもあることを、 やっと認識しました。 いえ、今までも気がついていたのかもしれません。 しかし今、それが確信に変わりました。
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たった1週間で、全てが決着してしまったわけではありません。 前述の通りに、気持ちは少しずつ削れていきました。
ただそれまで私はまったく変わらず**様に接していましたし、 当日でさえ振舞いは変わらなかったように記憶しております。 しかしながら、最後の臨界を越えてしまったのはその日その時でしたから、 いかにも急なお話であったと今では感じられます。
確かに、その崩壊の過程に**様の姿はありませんでした。 おっしゃる通りに、自分の中だけで全てを片付けてしまいました。 わが身可愛さに、洞窟の中に逃げ込む癖は直っておりませんでした。
あの時でさえ、**様をいやと思ったことはありません。 後に出てまいりますが、怒ったわけでもありません。 情の部分での葛藤が感じられなかったということは、先に申し上げた私の自制もありましょうが、 この心情によるところが大きいです。
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「ホテル4」での問答の時の情景は、今でも鮮明に覚えております。 ご質問を頂いた時の**様のご様子も、その声音さえも記憶しております。 気落ちなさったご様子が感じられ、大変に胸が痛みました。
しかしながら、記事でもおっしゃられておりますとおり、私の回答はあまりといえばあまりなお返事でした。 大変に思慮を欠いた申しようであったと、今では深く反省しております。 その時でも、そうお答えすることに躊躇いがありました。 しかし、これ以上ないシリアスな対話に、迂遠な言い回しをする余裕がありませんでした。
おっしゃられる通りに、意表を衝かれたことは確かです。 さらに、「言わずもがな」というご指摘は、記事を拝見した時に納得いたしました。 今から考えれば、そのような気持ちがあったかも知れません。
また、私は形や状況にとらわれ、自分がどういう感情を持っているのか、 自分達がどういう関係を築いているのかを見過ごしておりました。 いえ、見過ごしていたからこそ、あのような状況を招いてしまったのでしょう。
「ホテル4」の後半を拝見すると、実に辛いです。 其処に綴られている恐ろしいことが現実に起こったこと、 そしてその原因が私であったことを、大変に申し訳なく感じております。 この文章を拝見すると、今でも泪を禁じ得ません。
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