女房様とお呼びっ!
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2003年10月07日(火) 自覚なき暴走

人に期待し過ぎるとロクなことにならない。
奴のことによらず、何度か痛い目に遭ってきて、それは重々わかっていることだ。
なのに、またもあっさりと同じ轍を踏んでしまった。
言うまでもなく、調教後に詫びのメールをもらった時点で落着させなかったのが原因だ。
大体詫びた人間にちゃんと謝れなんて、期待するほうが間違っている。

にしても、なんでそんなトチ狂った期待を抱いたのか。
百歩譲って、どうなれば私は納得したのか。



今にして思えば、私は単にヘソを曲げてただけのような気がする。
ヘソが曲がれば、思考も曲がり、自ら穴を掘っては落ちてしまったワケだ。
そして、穴の底で私が切望したのは、「自分が悪かった。許して下さい。」という一言だった。

我ながらうんざりする程、感情的でベタな希求だが、逃れようがなかった。
やはり、私はあの一件に酷く怒っていたのだ。
恩を仇で返すような真似しやがってと恨みさえ抱いた。
それを下手に寛容ぶってようよう飲みこんだつもりが、
先に謝られたことで腹に納めきれなくなり、かといって、今更正面きって怒ることもできず、
そのジレンマが私をトチ狂わせた…らしい。



振り返ればこそ、己の感情の暴走に気づきもするが、当時はそんな自分を認めてなかった。
それどころか、もっともらしい言い訳を拵えては、自分の正当性に縋っていた。

かりそめにも主ヅラすれば、感情的になるなんてもってのほかであり、
感情を退け、専ら奴のためにひたすら思考しているんだと、なおも恩に着せてみる。
おためごかしに思い募ることで、自分を誤魔化していた。

それでも、当然のこと、身の内に鬱屈するものはあり、折々捌け口を求める。
気の置けない友人には再々に愚痴をたれ、事情を与かり知らぬかたにさえ、鬱陶しいメールを書いた。

そうして、私は正気を保とうとしたが、根本的に正気を失っていたと気づいてみれば、
アテにされたかたがたには、さぞかし困惑されたことと申し訳なく思う。
挙句、こんな妄言まで書き送っており、今更ながらに身が縮む。




先のメールで、

> **さんが好きなようになされたら?と、思う次第です。

とのお言葉を頂きながら、依然この話題を取る失礼をお許しください。

と申しますのも、今のところ
’本当に好きなように’は出来ないと思っているからです。
従前に倣って好きなようにするならば、私はとっくにこの穴から脱出してるはずです(笑
けど、今まで通りが今の憂いを招いてるのならば、今まで通りじゃだめかなと…。

これまでは意に添わないことや負の感情をそこそこに飲み込んで、
彼の負担を考慮しながら言動を制御し、不安を抱かぬよう絶えず主導してきました。
もちろん彼なりに不安を感じることもあったとは思いますし、そう聞いてますが、
私のほうから積極的に不安を与えることは、しないように努めてきました。
これが出来ないから、あるいはそうしなかったら、捨てる(別れる)るよ、
なんて、言ったことはありませんでした。もちろん考えたこともありません。
今も、関係自体を反故にしようとまでは思ってません。

しかしながら、私のとったこの方法が、彼を甘やかしてしまったのかなと痛感し、
つまりは、自業自得の結果なのかなと反省している現在です。
脅して注意や危機感を喚起することが適正とは思ってませんが、
叱られても反省すれば許される、怒っても謝れば怒りを解いてくれる、という安直が、
彼には、自分から働きかける意思を殺ぎ、易々と同じ過ちを招いてるのではないか。
そんなふうに思い、今は耐えて、救いの手を差し伸べずにいます。
情けない話ですが、過保護なママにはこれがなかなかに辛いのです(笑。
けれど、この辛さを引き受けなければ、何も変わらないように思うのです。




しかしながら、暴走やまぬ私には、これが縋るべき正義だった。
あまつさえ、理性でよくよく考えて、最善を尽くしているつもりでいた。


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