女房様とお呼びっ!
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2003年07月12日(土) |
無言調教 〜密室以前〜 |
当日、例によって、イリコの車でラブホに向かう。
前回の成り行きのせいで、話すに億劫で、 二言三言指示を与えた後は、自分から話題を取らずにいた。 一方奴は、前回苦言を呈したせいだろう、積極的にあれこれと話し掛けてくる。 今までの感覚からすると、ちょっと異様なくらいだ。 奴なりに努力してるんだなぁとぼんやり思う。
しかし、私のほうは依然として会話に乗り切れない。 初めのうちは、適当に言葉を返していたのだが、段々と相槌が間遠になってしまう。 それで、いきおい奴の言葉数が増え、対し私が黙りこくるという、普段とは逆の構図となった。 本音を言えば、ちょっと黙ってて欲しかったのだけど、奴の奮闘に水を差すようで憚られた。
もっともこの時、私は不機嫌から対話に臆したのではない。 私としては、この後の調教に備えて、精神集中に専念したかったのだ。 それも、いつも以上にテンションを上げる必要に駆られていた。 なぜなら、こうした状況下、つまりこじれている相手と行為に及ぶのは、相当のエナジーが要る。 力ずくでも、自らを盛り上げていかねばならない。
◇
もっとも、調教のプランは固まっていた。 いや、二週間前、奴の言い分を聞いた時から、既に発想はあった。
ベタな思いつきだが、 「無理やり話す必要がない」と言うのなら、物理的に話す必要を奪ってやろうと。 あるいは、禍の元でしかない口ならば、なくしてしまえと。 ここに専ら感情から、イヤガラセっぽい要素があったことは否めない。
とにかく口を塞いで、口が利けない辛さと苦しみをとことん味あわせてやろう。 奴は「奴隷の分際では、自分から話しづらい」とほざいた。 ならば、奴隷の分際でも口を開かざるを得ない状況を拵えてやる。
しかるに、その手段はすぐに思いつく。 準備も簡易だ。まずはエネマシリンジ。 そして、ビニルシートと大ぶりの桶。前日に百均で買った。
実を言うと、今回の調教は、この道具立てで必要にして充分だったのだが、 事後のことも考えて、空の桶に責め具を詰めていく。 すなわち、鞭だの蝋燭だの。縄も何本か。 ’飴’も必要かしらと、バイブレータの類。 セーフワード代わりの鈴つきタオル・・・気づけば結構な荷物になった。 その隙間に、今回必須のガムテープを突っ込む。
◇
道中、コンビニへ寄る。 イリコが下げたカゴの中へ、いつものように自分が摂る飲み物や食べ物を入れ、 更に500mlのスポーツ飲料を三本放り込んだ。
一気に重みを増したカゴが、その日の予定の一端を奴に知らしめる。 その大量の水分は、程なく奴を苦しめるはずだ。 淡々とレジを通る品物を見ながら、奴は覚悟を決めていたことだろう。
もっとも、その覚悟を上回る苦しみが待とうとは、知る由もなかったろうけど。
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