女房様とお呼びっ!
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2003年03月06日(木) 憧憬

  
  
子宮を持たぬその人の腹腔は、けれど。
柔らかく暖かく、命の鼓動を伝えておりました。


私の邪悪に汚れた掌が、その時、しかし。
嬰児のように丸まって、彼の胎内に包まれておりました。


いまさらに、言葉を音に乗せる無意味さに、私達は。
聾唖のように押し黙り、小さな手話で言葉を交わしました。


その刹那。


秘密の遊びに興じる幼子のごとく、
永遠を疑いもしないあどけなさが、心に宿るのを感じました。
  
  


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