女房様とお呼びっ!
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2003年01月28日(火) 癒したい系

昨年のある時期、深夜の2ショで知り合ったM魚と交流があった。
奴隷になりたいと言う彼だったが、いかにもな奴隷像に憧れている風ではなくて、
ゴリゴリの隷属願望組とは果たせない(笑)、軽妙にして面白い対話を楽しんだ。
時々脱線するが頭の回転の速い奴で、臆せず語られるユニークな発想には笑った。

一月ほど対話したろうか。確かに楽しかったけど、どこか引っかかるものがある。
何だか過剰に労わられているような気がするのだ。会話の端々から伝わってくる。
そこに、有り体な礼儀や思いやり以上の、言わば押付がましさを感じてしまった。
自分としてはどこも悪くないのに、疲れてませんか?と何度も念押しされる感じ。

それである時訊いてみた。「私のこと、ストレスフルで不安定な人間だと思ってる?」
すると「ボクが知ってるS女さんは大抵そうなので」と答える。はぁ?ナンダカナ。
「悪いけど、私はいたって健康よ。あっても、キミに癒しを求めることはないわ」
彼の言葉に私は明らかにムッとして、そう切り返したものだ。正直、不快だった。

・・・・・。

軽い印象の彼だったが、意外にもマメにメールを寄越してくれた。感心したよ。
とはいえ、おおよそ抽象的な言葉が並ぶ。それを読み解くのは面白かったけどね。
そこに彼の願望を象徴する言葉を見た。「主様を支える奴隷」(!)突如合点がいく。
それで、あんなに労わろうとしたのか。結果、彼の思惑は大きく外れたにしても。

彼が望む奴隷像は、控えめながらも能動的だ。確かに従属したがってるのだけど。
「主様の心に刺さったトゲを少しずつ抜いて、悦んで頂きたいのです」と彼は言う。
こうも言う。「お仕えしてる方の毒素的なものを受けて、身の内に取り込みたい」
彼の言うところの毒素的なものとは、ストレスだの排泄物だのらしい。なるほど。

とすれば、私のように奴隷には滅多に弱みを晒さない女は、彼の主としては不適だ。
対面を果たした後、それを彼も実感したのだろう。翌日に届いたメールに笑った。
「想像以上にしっかりした人でした・・」あはは、がっかりさせてごめんなさいね。
そして「こういう人の奴隷は羨ましいと思った」と結ばれていた。ホントかなぁ?(笑

・・・・・。

ところで、M魚の中には「私をストレス発散の道具にして下さい」と希望する者がいる。
恐らく大方は「自分の意思を無視して、殴るなり蹴るなりして」ってトコなんだろう。
これは解りやすい。別にストレス発散の手段を暴力に限定しなくても腑に落ちる。
もっとも、私自身はストレス解消のためにS行為に及ぶことはないんだけどね。

しかし、先の彼が「主のストレスを解消したい」と言うのは腑に落ちなかったワケだ。
いや、それが悪いとか間違ってるとかじゃなくて、私には受け入れがたかったと。
同様に、「主を支える奴隷」ってのもまるで発想の外。考えるだけで落ち着かない(笑
なんだか自分が無力なお姫様となり、御輿に乗っけられてるような気がするのだ。

これは、私の嗜好が「従」を自分好みに仕立て導きたいという、専ら能動的なもので、
「奴隷が私を理解しようなんて百年早いッ」と言い垂れる、奢り昂ぶりゆえだろう。
だから、私が望むDSの位置関係で、しかもさほど付き合いも経ず信頼も育たぬうちに、
「癒して差し上げます」なんて言われた日には、たぶん怒髪天を突くに違いない(笑

・・・・・。

いやもちろん、私の嗜好でも「従」に支えられる部分はある。言い訳がましいけど。
まずもって、「従」がいなけりゃ主ヅラできないしね。けどま、それはお互い様だ。
それに、好きでやってることだもの、奴隷に癒されてるトコはある。結果としてね。
でもね、癒して欲しいとは露程も思わないんだな。従ってくれるだけで充分なのよ。


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