女房様とお呼びっ!
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昨年のある時期、深夜の2ショで知り合ったM魚と交流があった。 奴隷になりたいと言う彼だったが、いかにもな奴隷像に憧れている風ではなくて、 ゴリゴリの隷属願望組とは果たせない(笑)、軽妙にして面白い対話を楽しんだ。 時々脱線するが頭の回転の速い奴で、臆せず語られるユニークな発想には笑った。
一月ほど対話したろうか。確かに楽しかったけど、どこか引っかかるものがある。 何だか過剰に労わられているような気がするのだ。会話の端々から伝わってくる。 そこに、有り体な礼儀や思いやり以上の、言わば押付がましさを感じてしまった。 自分としてはどこも悪くないのに、疲れてませんか?と何度も念押しされる感じ。
それである時訊いてみた。「私のこと、ストレスフルで不安定な人間だと思ってる?」 すると「ボクが知ってるS女さんは大抵そうなので」と答える。はぁ?ナンダカナ。 「悪いけど、私はいたって健康よ。あっても、キミに癒しを求めることはないわ」 彼の言葉に私は明らかにムッとして、そう切り返したものだ。正直、不快だった。
・・・・・。
軽い印象の彼だったが、意外にもマメにメールを寄越してくれた。感心したよ。 とはいえ、おおよそ抽象的な言葉が並ぶ。それを読み解くのは面白かったけどね。 そこに彼の願望を象徴する言葉を見た。「主様を支える奴隷」(!)突如合点がいく。 それで、あんなに労わろうとしたのか。結果、彼の思惑は大きく外れたにしても。
彼が望む奴隷像は、控えめながらも能動的だ。確かに従属したがってるのだけど。 「主様の心に刺さったトゲを少しずつ抜いて、悦んで頂きたいのです」と彼は言う。 こうも言う。「お仕えしてる方の毒素的なものを受けて、身の内に取り込みたい」 彼の言うところの毒素的なものとは、ストレスだの排泄物だのらしい。なるほど。
とすれば、私のように奴隷には滅多に弱みを晒さない女は、彼の主としては不適だ。 対面を果たした後、それを彼も実感したのだろう。翌日に届いたメールに笑った。 「想像以上にしっかりした人でした・・」あはは、がっかりさせてごめんなさいね。 そして「こういう人の奴隷は羨ましいと思った」と結ばれていた。ホントかなぁ?(笑
・・・・・。
ところで、M魚の中には「私をストレス発散の道具にして下さい」と希望する者がいる。 恐らく大方は「自分の意思を無視して、殴るなり蹴るなりして」ってトコなんだろう。 これは解りやすい。別にストレス発散の手段を暴力に限定しなくても腑に落ちる。 もっとも、私自身はストレス解消のためにS行為に及ぶことはないんだけどね。
しかし、先の彼が「主のストレスを解消したい」と言うのは腑に落ちなかったワケだ。 いや、それが悪いとか間違ってるとかじゃなくて、私には受け入れがたかったと。 同様に、「主を支える奴隷」ってのもまるで発想の外。考えるだけで落ち着かない(笑 なんだか自分が無力なお姫様となり、御輿に乗っけられてるような気がするのだ。
これは、私の嗜好が「従」を自分好みに仕立て導きたいという、専ら能動的なもので、 「奴隷が私を理解しようなんて百年早いッ」と言い垂れる、奢り昂ぶりゆえだろう。 だから、私が望むDSの位置関係で、しかもさほど付き合いも経ず信頼も育たぬうちに、 「癒して差し上げます」なんて言われた日には、たぶん怒髪天を突くに違いない(笑
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いやもちろん、私の嗜好でも「従」に支えられる部分はある。言い訳がましいけど。 まずもって、「従」がいなけりゃ主ヅラできないしね。けどま、それはお互い様だ。 それに、好きでやってることだもの、奴隷に癒されてるトコはある。結果としてね。 でもね、癒して欲しいとは露程も思わないんだな。従ってくれるだけで充分なのよ。
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