女房様とお呼びっ!
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2003年01月17日(金) ワタシが凹んだ本当の理由

結局、今回の釣り大会も不調に終わってしまった。というか。
糸を垂れたい程の魚を見つけられなかった、いや、物色する気力が湧かなかった。
いやいや、はっきり言えば失せてしまったんだね。そう、あの”咥え煙草”のお陰で(!)
奴と別れた後もずぅっと嫌な感じが心の底に沈んでて、諦めにも似た気持ちでいた。

イベントがはねて、会場で行きあったS女の友人やM魚たちと恒例の打ち上げ。
私以外の女は各々の釣果をぶらさげてたが、鬱な私には羨ましささえそこそこだ。
それでも、釣りの始終や現場で見聞きしたあれこれを披露しあっては、話に花が咲く。
当然、私が提供するネタは先の中年M魚との次第。アンナノハジメテ!と息巻いた。

お陰様で一同には、「ナニソレ?!」「失礼ね!」と同調してもらい、少し気が晴れる。
「そんな奴相手にしなくても、他にいるわよッ」そう断言し、慰めてくれるのが嬉しい。
でもね、私が怒りを感じ、かつ凹んでしまった原因は、奴にフられたことじゃないの。
変な拘りかもしれないけど、初対面の男に咥え煙草で応対された、正にその事なんだ。

・・・・・。

私も煙草を吸う。しかもかなりのスモーカーなので、人待ちに表で吸うことはある。
が、人がみえたら消す。消さないままで挨拶するなんて、余程の馴染みの相手だけだ。
だから、奴が咥え煙草のまま声を掛けてきた瞬間、私は本当に驚き、混乱したのだ。
私の感覚に照らすとそれは想像を絶する無礼で、つまり恐ろしく屈辱的だったのね。

例えばこれが、通りすがりの男が咥え煙草でナンパしてきたのなら、驚きはしない。
ナンパでさえなく、「このブス!」とか罵られたとしても、あれ程堪えはしないだろう。
百歩譲って、金銭目的の出会いだったなら、あんな態度を取る男もいるんだと思う。
でもね、奴は通りすがりでもイカレタ野郎でも私を買ってくれる客でもなかったんだよ。

・・・・・。

と、憤慨しながらも、その一方で暗澹とした気持ちになる。自分自身について。
一つは、奴みたいな振る舞いは別に珍しくもなくて、単に私が神経質なだけカナとか。
或いは、男と散々遊んどいて、今更そんなことで躓いてしまう自分の未熟さだとか。
あと一つは、奴は「女王様」候補としては、私を見下げたんだなぁと思うにつけ。

いや、カッコツケてもしょうがないので正直に明かすと、最後の一つが私の鬱屈の殆どだ。
普段は自制している容姿への自信のなさが、徐々に頭をもたげて、私を苦しめる。
私が綺麗だったら、奴の態度は違ってたのかしら・・・そんな余計な想像をしてしまう。
自虐モードに陥り、お前みたいのが女王様なんてと嘲笑されたような気さえしてくる。

もちろん、容姿の評価なんて主観的なものだと、充分にわかってはいるのよ。
更には、人を選ぶにおいて容姿の評価にどれ程の重きをおくかも、その人次第。
奴が私の外見に不服で、隷属するに値なしと敢えて無礼な態度をとったのだとしても、
それは責められたことではないし、奴の評価だけで私が絶望する必要もないことも。

・・・・・。

ただ今回の場合、M魚がS女に対面する時の、型どおりであれ期待される礼儀や、
奴にあっては、事前のメールで私に向けた恭しい態度や電話中に保っていた丁寧さが、
実際に面会した途端いきなり失われたものだから、やはりダメージは大きかったのだ。
「そんなにワタシは酷い出来なのか」と疑わざるを得ず。当然のこと、辛かった。

そして、この時抱えた鬱屈は、容姿のコンプレックスを刺激したにとどまらず、
これも私が潜在的に抱えている、S女であることの劣等感へと進んでしまった(痛)
あぁそうなんだ。女がSと表明することで人様から向けられる蔑みのようなもの。
単なる被害妄想かもしれないが、M魚にさえも、それを感じることがあるんだね。


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