女房様とお呼びっ!
DiaryINDEX|past|will
2003年01月15日(水) |
この齢にして初体験 #3 |
つまり奴は、携帯鳴らしてそれに出ようとした女、を目印にして私を視認したワケだ。 このことだけでムッとしてしまう私だが、まぁそれもいい。私もやることあるしさ。 けど、それならそれで、歩み寄る間になぜ煙草を始末できない?嗚呼、理解できない。 更には、煙草を咥えたままの唇が言葉を発しようとうごめき始めたのだ。うわぁぁぁ!
遂に私は目を背けてしまった。いや、咥え煙草を見た瞬間から半身に構えてしまってた。 当然、私の耳も奴が喋る音を聞きはしない。本当に聞こえないのよ。体が受け付けない感じ。 奴に正対出来ないまま、目の端で気配を探る。奴の唇の端に乗る煙草の行方が気掛かりだ。 そして、ようやく煙草が手に持ちかえられ安堵するも、未だ消される様子がない(!)
何だかいたたまれないような心持ちになり、奴に目線を戻すことなく歩き出した。 流石に無言でそうするのは憚られて、「お茶飲みましょう」と言い捨ててはみた。 果たして、その言葉が奴に届いたのかどうかはわかない。けど、奴はついてくる。 しかし、その右手、親指と人差し指の間にちびた煙草が摘まれている。あぁもう・・・!
とにかく、この不快な状況から脱したい。その一心で虚空を睨んで歩を進める。 と、またも奴が何やら喋りかけてくる。が、やっぱり聞こえない。意味が取れない。 仕方なく振り返ると、ひしゃげたフィルターを挟んだ指先が奴の耳の横で揺れていた。 再び打ちのめされた気分で、本当に本当に本当に嫌だったけど、奴の声に耳を傾けた。
そして届いた奴の言葉。「ボク、まだここに来たばっかなんですけど?」・・・ハァ? いや、正確にはどうだったか自信がない。けど、私の耳にはそう聞こえたんだね。 次いで、私の脳はこう解釈した。「貴女とお茶飲むより、留まって他の人に釣られます」 あああ、ここに至り交渉決裂。少なくとも、私はそう断を下してしまったのだ。
・・・・・。
それでも、往生際の悪い私は潔いオチもつけられずに、付け足すように言ったものだ。 「アタシお便所に行きたいから、あそこの喫茶店に入るわ。よかったらいらしてね」 うぇーん、バカみたいだ、私。あんなに嫌な思いをしたんなら、すっぱり切れよ、自分。 結局奴はついてこず、私もその店には行かず、再び戻ると釣られ待ちをしてる奴がいた。
・・・・・。
さて、この始終を客観的に見たらどうだろう。
遠目に見れば、ナンパした中年男とそれをイナした中年女。美しくない風景だけど(笑) そこまでの経緯を踏まえれば、ネットで知り合った男女が対面したらダメでしたってだけ。 M魚釣りに視点をおいてもなお、釣られたくない女に釣られなくたっていいワケで。 あぁなのになのに、何故私はこんなに悔しくって腹立たしい思いに苛まれるのか。
やーっぱね、咥え煙草よ。全ての成り行きに納得しても、その一点だけが飲み込めない。 というか、不如意に終わった恨みをその一点に集約してしまってる感もあるな(笑 でもね、あれがなければ、私は行儀良く奴に対応したはずなんだ。結果はどうあれね。 あぁだから、思わぬ初体験に面食らって、みっともない真似した自分にも凹んだワケ。
・・・・・。
けど、どうなんだ?誰が悪いとは言わないけど、私の感覚ってオカシイのかしら? 事件は決着したものの、未だぐずぐずとした思いをひきずる。以下、次号。
|