女房様とお呼びっ!
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笑う女をご想像下さい。 あなたが頭の中に描いたのは、どんな状況で、どういう風に笑う女ですか?
笑うという動作についての印象は、 どちらかというと明るく、平和なイメージですが、 女がそうすると限ると、イメージがもっと違う方向に向かうのを感じませんか?
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「女の笑顔には敵わない」と言う男性も数多くいらっしゃることでしょう。 それを盾にとって、笑顔を武器に、男を手玉に取る女も沢山います。 思い当たる節はありませんか。
後で悔やんだところで、笑う女を恨むよりも、 その笑顔に騙された自分を責めるのが関の山の男たち。 そして女は、勝ち誇った笑みを、またその顔に浮かべるのです。 「男なんて単純ね」 嘲笑にも似た、女としての自信に満ちたその笑みが、 より一層の凄みを伴った美しさを、女に与えることでしょう。
◇
そしてまた、笑う女に魅せられてしまう男がいます。 女が笑ってくれるのなら、何でもしてしまいたいと懇願する男。
既に男の表情に笑みはなく、切なそうな苦悩の色さえ窺えて、 対する女は、不敵な笑みを絶やすべくもありません。 「そう・・・なんでもするのね?あなたが辛い事でも?苦しい事でも?」 既に女の虜となった男は答えることでしょう。 「キミが楽しいと思うことならば、なんでも・・・」
そう。なんでも。 女の心の中に、愉快で残酷な気持ちが満ちてきて、 やがて、男の望む笑い声に変わることでしょう。 男は自ら望んで女の足許に下り、 頭上から降り注ぐ嘲りと蔑みの笑い声の中で果てていくのです。
◇
それは、女にとっても快感なのです。 少なくとも、女である私にとってはそうです。
女のために、敢えて苦痛をも厭わない男に捧げられる女の笑い声。 傷ついた男を見据えながら、声を立てて笑う女の身体の芯に、 強烈な快感が電流のように走り、 そしていよいよ後ろ暗い欲望に、女を男を向かわせるのです。
それを私は知っています。 だからそう・・・私にとって笑う女は、とても隠微なイメージなのです。
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