女房様とお呼びっ!
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2002年06月07日(金) 笑う女

笑う女をご想像下さい。
あなたが頭の中に描いたのは、どんな状況で、どういう風に笑う女ですか?

笑うという動作についての印象は、
どちらかというと明るく、平和なイメージですが、
女がそうすると限ると、イメージがもっと違う方向に向かうのを感じませんか?



「女の笑顔には敵わない」と言う男性も数多くいらっしゃることでしょう。
それを盾にとって、笑顔を武器に、男を手玉に取る女も沢山います。
思い当たる節はありませんか。

後で悔やんだところで、笑う女を恨むよりも、
その笑顔に騙された自分を責めるのが関の山の男たち。
そして女は、勝ち誇った笑みを、またその顔に浮かべるのです。
「男なんて単純ね」
嘲笑にも似た、女としての自信に満ちたその笑みが、
より一層の凄みを伴った美しさを、女に与えることでしょう。



そしてまた、笑う女に魅せられてしまう男がいます。
女が笑ってくれるのなら、何でもしてしまいたいと懇願する男。

既に男の表情に笑みはなく、切なそうな苦悩の色さえ窺えて、
対する女は、不敵な笑みを絶やすべくもありません。
「そう・・・なんでもするのね?あなたが辛い事でも?苦しい事でも?」
既に女の虜となった男は答えることでしょう。
「キミが楽しいと思うことならば、なんでも・・・」

そう。なんでも。
女の心の中に、愉快で残酷な気持ちが満ちてきて、
やがて、男の望む笑い声に変わることでしょう。
男は自ら望んで女の足許に下り、
頭上から降り注ぐ嘲りと蔑みの笑い声の中で果てていくのです。



それは、女にとっても快感なのです。
少なくとも、女である私にとってはそうです。

女のために、敢えて苦痛をも厭わない男に捧げられる女の笑い声。
傷ついた男を見据えながら、声を立てて笑う女の身体の芯に、
強烈な快感が電流のように走り、
そしていよいよ後ろ暗い欲望に、女を男を向かわせるのです。

それを私は知っています。
だからそう・・・私にとって笑う女は、とても隠微なイメージなのです。


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