女房様とお呼びっ!
DiaryINDEXpastwill


2002年05月21日(火) ココロ 〜誰でもいいから〜

性的な出会いに貧した人が、「誰でもいいから」と闇雲に相手を求めるのは、かなり無謀だ。だって、「誰でもいい」と言う男に応じる女は少ないだろうし、女が「誰でもいい」という場合、何か事情があるんじゃないかと危ぶむだろう。まぁ、色んな意味で、「誰でもいいから」ってのはヤバイ。本気かよ?って笑っちゃう位だワ。

ところが、M魚の中には、本気で「誰でもいい」奴がいる(!。いや、この手のPRをするM魚は、結構いるのよね。ま、極度に出会いが少ない場にあって、応じてくれるなら誰でも…という気持ちもわからなくはない。けど、大抵の輩は、マジで誰でもいいワケじゃないはずだ。明らかに危険な誰かなら、ちゃんと逃げ出すだろうサ。

しかし、本気の奴らが目指す「誰でもいい」は、本当に誰でもいいのだ。極端な話、彼が目隠しをして街頭に立つとすれば、周りを行き交う見知らぬ人々が、全て「誰でも」の対象になることだろう。彼にとって、「特別な誰か」は必要ない。寧ろ、邪魔なものかもしれない。彼のマゾヒズムは、おおよそ自己完結的なのだから。

・・・・・。

彼らのマゾヒズムは、自尊心を放棄して、自らを貶めたいと望む。これだけなら、自虐願望なのだが、ここへ他者を介入させることで、より強い刺激を求めるのだ。この時、他者を特定しないほうが、更に強烈なイメージを生むことになる。例えば、「公衆便所にされたい」とか「見世物になりたい」と表現すれば、分かり易いか。

実際問題として、このイメージは現実的ではないが、彼らはそこに近づきたい一心なんだね。けど、これ程傲慢な願望もないなと苦笑してしまう。ただまぁ、持ってしまった性癖だもの、仕方ない。だから、上手い具合に機会を得られればいいかなと思う。そう、思うだけ(笑。だって、私自身はこの手の輩とは関わりたくないもの。

とは言え、自分が不特定な誰かと見なされても、彼らの願望に呼応するサディズムは、私も持ちあわせている。その時、彼は思惑通りに自尊心を手放して、私はM側の尊厳を踏みにじる行為に酔うことが出来る。実際、パーティーなどでは、結構楽しめるやり取りだと思う。けど、わざわざ個人的な関係を結ぶ気にはなれないや。

・・・・・。

ところが、私のかつての恋人は、まさにこのタイプだったのだ(!。「誰でもいい」から、自分を壊してくれと切望する。泥酔してはSMクラブへ出向き、とにかく滅茶苦茶にしてと無理なオーダーをして、潰瘍になる程の傷をつけてもらう。自虐もエスカレートして、スカトロジストでもないのに、自分の大便を喰ったりしていた。

私と彼は、主従関係じゃなくて、恋人として対等につき合っていたから、行為の上での力関係も等分だった。もちろん、SM行為だから、見かけは私のほうが主導してるけど、実質的なイニシアチブは相互にあったということね。それで、再々、彼の他力本願な自虐(笑)につき合ったのだけど、これは正直、私には荷が重かった。

いや、重かっただけで、嫌だったわけじゃない。けど、異常に消耗した印象が強いナ。それまで、恋人として、行為を共有する者として、向き合ったり寄り添ったりしてた彼のココロが、その瞬間、どこかへ彷徨い出てしまうような感じなのだ。彼の心身はトランス状態になり、そこに私は存在しなくなってしまう。空虚な感じ。

もっとも、予め予想してる事なので、それで私が不安に陥ることはなかった。ただ、無意識ながら、彼を恋する私のココロは負荷を負ってたのは確からしい。でも、この状態は避けようがなかったのね。てのも、彼自身どう心構えしようと、ココロが乖離していくその瞬間を、知覚出来ないらしいんだもの。業の深い癖だよね(笑

・・・・・。

っと、かなりディープでカルトな話題だけど、この項、更に続く。悪しからず(笑


女房 |HomePage

My追加
エンピツ