女房様とお呼びっ!
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2002年04月08日(月) アナタ好み・アルジ好み

いつだったか、馴染みの集まるfemdomパーティーで。久しぶりに顔を合わせた某嬢の変貌ぶりに私は驚いた。「どしたの?!やたら綺麗になっちゃって!」挨拶もそこそこに、そんな不躾な質問を浴びせる。すると、彼女は、悪戯を見咎められた子のような照れ笑いを浮かべつつ、こう言った。「だってほら、彼と別れたからサ…」

確かに、男と別れて一念発起、綺麗になってやるぅ的女心もあったろう。が、しかし、彼女のあからさまな変化は、それだけが理由じゃない。彼女が縁を断った男は、長年DSの関係にあった「主」だ。意を得て、私は更に訊く。「ナンダ、お化粧禁止されてたの?」「うん、私、本当はお化粧好きなんだけど」苦笑しながら答える彼女。

そう言えば、彼女がきちんと装った姿を見たのは、この時が初めてだと気づく。いつもスッピンで、Gパンにシャツてな恰好だったっけ。それはそれで素敵だったのだけど、アレは「主」の指示だったのね。「やっとオシャレ出来るの」彼女はせいせいと笑う。私は、その女ぶりに見惚れながら、「その方が全然イイよぅ」と告げた。

・・・・・。

特別にSMだDSだと言わずとも、女のナリに注文をつける男は多いと聞く。かたや、男好みに装うことを悦びとする女もいる。こう言えば、フェミニストあたりが眉をひそめそうな現象だけど(笑、ま、この辺は是非の問題じゃないよね。極めて個人的な傾向であり好みであり、性愛に伴う、のっぴきならない行動なのかも知れない。

恐らくは、この逆もしかり。私の場合、ナリに口出す男は大嫌いだし、男の為に装いを改めるなど考えもつかない質なのだが、以前、恋人にこれを誹られて、発狂しそうになったことがある。大袈裟でなく。理性で納得する以前に、感情が抵抗する感じ。痴話喧嘩の果てながら無茶な男の言い分に、激しく動揺し、言葉を失った。

「たまには、俺の好きな赤も着たらどうだッ」男が苛立ちをぶつけるように言った言葉。改めてタイプしてみれば、あまりにも馬鹿馬鹿しい捨て台詞だ。それを真に受けた自分自身にも呆れてしまう。しかし、つまらない諍いに疲れた心はあっけなく決壊し、私は、事もあろうか、公衆の面前で地に這った。何度も何度も謝った。

思い出すだに、身震いする程恥ずかしいエピソードだが、あの時、私の中の根マゾが刺激されてしまったのだと、今にして思う。たかだか服装のことであっても、支配されるようで怖かった。その恐怖がヒステリーを招いたか。結局、翌日には全身真っ赤に装って、更に彼を困惑させる。悔しくて、アテツケたい気持ちでバカやったヨ(笑

・・・・・。

某嬢が「従」であった頃、本当は好きなお洒落を封じられるのは、甘やかな命令だったのかもしれない。私が、ナリにケチをつけられて、あたかも自分を否定されたが如く感じたのと同次元で、彼女はそれを「従」たる証として受け入れたのだ。「従」の身であれば、「主」好みの女になるのは、目標であり、悦びでもあったろう。

その後、彼女はいわゆるS転をして、男の「主」たる身となったのだが、今度は己の「従」たちのナリに口を出してるかな?想像に過ぎないけれど、彼女が「従」であった歴史を鑑みるに、どうもそんな気がする(笑。そうそう、化粧を施し、スタイリッシュな服に身を包み、ヒールを履いた彼女は、すっかり女王様然としてたよ。

・・・・・。

ちなみに、私も、「従」のナリに注文つけるヤな「主」だ。だって、一緒に居るなら、少しでも景色をよくしたいじゃないか。私好みに。現在もせっせと改造中である(笑


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