女房様とお呼びっ!
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2002年02月06日(水) 性癖と性愛と結婚について #3

先日、古馴染みのM魚から電話が掛かる。久しぶりの連絡に、互いの近況報告を交わしながら、またも話は、彼の結婚問題へと進む。「もう30ですモン、考えますよ」彼はオトナらしく笑ったが、今更年齢を口実にしなくても、もっと年若い時分から、将来の結婚と性癖をどう折り合わせるかについては、彼が再々に話題する所だ。

その度に、「若いんだから、結婚のことはさて置いて、SM関係を作ってみることだね」と言ってきたのだが、ここ暫くは、特定のパートナーに恵まれている状況だ。関係も良好らしいが、彼女が既婚のせいで、彼の悩みは新たな展開を迎えた。「彼女との結婚は無理だし…」独身者の性愛が、結婚を視野に入れてしまうのは仕方ないね。

「某なんか、SMなんて所詮夢だって言い切りますよ、オトナだなぁ」別のM魚を羨みながら、実は、彼は未だ「オトナ」になり切れてないと言いたげだ。「某とキミは違うタイプじゃん?」と応えると、「いやぁ、ボクも割り切れれば楽だって思うんですけど…」と語尾を濁す。そして、「やっぱ結婚はしたいデス」と言葉を継いだ。

・・・・・。

彼が心から望む結婚は、夫婦間の性愛がSM(DS)関係にあることだ。妻を主と慕い、偶にSMっぽい行為が出来ればいいなと夢見る。これはまさに、夫が独身の頃に理想としてた夫婦のカタチだ。が、生憎と私達はその実現に挫折してるので、これに素直に頷くことが出来ず、「そんな夫婦も確かにいるネ」と言葉を濁すしかない。

確かにいるが、私の本音としては、それってレアケースじゃないのと疑ってしまう。私の場合、「夫がMなのに、どうして夫婦でSMしないのか?」と訊かれる事が多くて、その都度「夫婦が対等である結婚生活と、主従関係は両立出来ないから」と答えるのだが、まさにその理由から、夫婦間SM(DS)は難しいとの意識を拭えないでいる。

けれど、やっぱりいるのだ、上手にSMやってる夫婦は。この事実の前に、私は未だ鬱々としてしまうのだが、私の事情はともかくとして、先の彼にとっては、希望を繋ぐ明るい事実ではある。勿論、今の彼女との将来が望めない以上、また新たな、しかも希有な縁を探す困難はあるだろうけど、彼の望みが叶う可能性は残されている。

・・・・・

さて、彼のように「妻が女王様」を夢見るM魚は意外に多い。そこで、例によって(笑)意地悪な質問を彼らに投げてみる。「夫を尻に敷いてる妻なんて、ゴマンといるぜ?」すると、大抵「いえっ、妻にS性がないと…」てな答えが返る。「SMやれる妻ってこと?」敢えて身も蓋もない問いかけをすれば、彼らは一様に答えに詰まる。

なぜなら、この手の望みを抱くM魚の多くは、「主様に喜んで頂けるのなら、どんな行為であれ幸せですぅ」と、行為よりも相手との関係性をこそ重視する隷属願望の強い組なのだ。先の彼もそうだし、ウチの夫も、かつてそうだった(たぶん今も、笑)。そして、その殊勝な言葉は、偽りなく純粋に、彼らの真に望む所なんだろう。

先の問答の続き。「単純なカカア天下じゃダメなのね?(笑」と助け船を出せば、「ハイッ、私をM奴隷と見なして頂きたいのです」と、晴れ晴れと答える。この時点で、彼らにとっての性癖は、非日常なものじゃないんだね。彼らが今後どのような解を見いだすのかは、個々人で違うはずだが、上手く夢と折り合って欲しいと願う。

***

関連記事です。よろしければどうぞ^^(註:掲題、若干変更しました)

→ 「性癖と性愛と結婚について #1」
→ 「性癖と性愛と結婚について #2」


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