女房様とお呼びっ!
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2002年01月11日(金) |
セックス・ラボ #6 〜秘密のボタン〜 |
中学生の頃。そう、まだ、自分の性器が「婦人百科」の図解通りだと思ってた頃、 エッチな告白文集に出会う。集英社コバルト文庫の一冊。少女向けの内容だった。 自分と同年輩の女の子たちが、自分とはあまりにも無縁な、性的な体験をしてる。 それは驚きだったけど、寧ろ、絵空事のポルノみたいで、読むたび興奮していた。
中でもお気に入りは、差出人不明の妖しい手紙を受け取った女の子の告白だった。 淫猥な惹句に続けて、差出人は誘いかける。「貴女の秘密のボタンを押してご覧…」 その言葉に、彼女は自らの股間に「秘密のボタン」を探し出す。体に電気が走る。 「翌日から、私は、秘密のボタンを押さずにはいられなくなりました」告白は続く。
いつもの様に太股を捩りつつ、何度もその告白を読んだ。何度読んでも興奮した。 そして思う。私にも「秘密のボタン」があるのかな?あるなら、押してみたいなぁ。 けど、婦人百科には載ってない。告白でも、ボタンが何であるか明かされてない。 ただ、股間の、性器の狭間にあるのは確からしい。それだけを頼りに探してみた。
しかし、脚の間に据えた手鏡に映し出す肉の間に、それらしきものはない。焦る。 そういえば、告白には「優しく丁寧に可愛がってあげなさい」と書いてあったっけ。 だから、きっと儚く小さくて、見つけづらいものなんだワ。そう思い直して探る。 結局、「秘密のボタン」は見つからなかった。が、その言葉は深く印象に刻まれた。
・・・・・。
やがて高校の頃。その疑問が漸く解けた。『アノアノ』という本に出会ったお陰だ。 女のオナニーのやり方が詳しく解説される。「クリトリス」を指で擦れと指南する。 コレだわッ!「秘密のボタン」の正体って。疑問の霧が晴れて、とても嬉しかった。 早速、己の亀裂の頂点を指で探る・・・と、あるべき突起が見つからない。ドウシテ?!
ある筈のモノがナイ。それは、とてもショックだったけれど、一縷の望みに縋り、 イヤらしい気持ちになっては、本に書いてある辺りを擦ってみる。何度も試みた。 すると、初めの頃はただグニャグニャした感触で、ピクとも感じなかったそこが、 時折、グリグリとボタンらしき感触を帯びたり、ピリリと痺れたりし始めたのだ。
でも、結局そこまで。耐え難いもどかしさに襲われて、太股捩りに逃げてしまう。 つまり、当時は無自覚だったけど、手っ取り早いオーガズムを得ようとしたのね。 クリトリスをずっと擦ってれば「イク」んだろうなと、知識も予感もあったけど、 そこに至るまで、擦ってられない。指で擦ることに拘ると、気が萎えたりもした。
・・・・・。
その日、普段通りにセックスを終えたものの、私の内側は火照ったままにいた。 「イカナイ」セックスでも、快感に身を捩り、声を上げ続ければ、疲れ果てたのに。 明らかに股間が落ち着かない。指を這わせると、愛液が余韻のように溢れている。 ボタンを探れば確かな存在感が指に伝わり、擦るごとに、怖い位に体に響くのだ。
その快感は絶対的で、頭よりも体が「もっと擦れ」と命じるようだ。止められない。 次第に、体が浮き上がるような感覚が来て、腰の辺りからガクガクと震えだした。 その変調は、正直怖かったヨ。自分の体がどうにかなりそうで、不安で堪らない。 でも、今止めちゃいけない。そう、自分を励まして擦り続ける。ドウニカシテ…!
と、次の瞬間、閃く。ソウダ、凄い速度で擦ればいいのよ。男のオナニーみたく。 これまで男に見せて貰ったオナニーシーンは、火を噴く程に擦り立ててたじゃん。 閃きのまま、激しく指を動かす。腰が浮き上がる。太ももに力が入る。ツリそう。 頭に血が上る。息が苦しい。っと、ある一瞬、全ての緊張が弾け飛ぶ感じがした。
・・・・・。
やがて訪れた頼りない脱力感の中で、私は、「あ、イッタんだ…」と初めて感じた。
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