女房様とお呼びっ!
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2001年12月14日(金) |
まぁぁ、コンナになっちゃって・・・ |
その男は、私が席に着いた時には既に、全裸に剥かれ、胸縄を施されて、女のソファーになっていた。女の尻に膝をひしがれて、上半身で女の背を支えている。そのせいで男の表情は窺えない。女の手が時折、彼女の尻の下に差し込まれて、ゆるゆると動くと、女のうなじの辺りから、男のくぐもった喘ぎ声が聞こえるばかりだ。
その光景は、秘密のサロンにあってはありがちな眺めで、誰も気に留めはしない。彼らの並びで、ごく当たり前に腰掛けて酒を酌み交わし、声高にお喋りに興じる私たち。次に気付いた時には、その男は俯せに女の膝に抱え込まれ、尻穴をほじられて呻いている。まぁまぁ、ご苦労さま。悶絶する男に、僅かに社交辞令を投げた。
親しい方々との語らいも一段落した頃、ようやく、男の顔に出会った。「この子ったら、淫乱でさぁ」横合いから、ママが声を掛ける。あらそうなの?と、男の方へ向き直った瞬間、男が口を開いた。「ボク、初対面じゃないですヨ」ん?「夏に**でご一緒して…」あぁ、キミか!?まぁぁ、コンナになっちゃって・・・オドロイタ。
・・・・・。
そう、確かにこの夏、とあるサロンで行き会っている。こういうトコよく来るの?と問えば、2回目デスとか言ってたっけ。SMクラブとかは行くの?と質問を継げば、イッタコトアリマセン、と。じゃ、妄想だけだ。経験してみたいでしょ。ハイ、でもきっかけが…。ま、一度ヤってみるといいわ。ヤってわかる事もあるワヨ。
そんなやり取りがあって、その夜、男はサロンの女の餌食になった。躊躇する彼の傍らで、今のウチにヤっとけと焚き付けたのは、私だ。ホラホラと叱りつけるように、促した。縄を掛けられ、崩れていく男の姿を見ながら酒を飲む。帰り際、未だ括られて酔っている彼に声を掛けた。頑張るのよ、青年。またどこかで会いましょう。
その場面から、まだ半年も経たないのに、目の前にいるかつての初心者の変貌ぶりはどうだ。「あん時が、本当に初めてだったんデスヨ」言い訳がましく、男は言葉を継ぐのだが、あれを契機に駆け足で経験を積んだようだ。一度転がり始めた煩悩は止めようもなく。少しは何かワカッタかい?眼前の男の顔は、前より輝いて見えた。
・・・・・。
そう言えば、以前にもこんな事があったナ。昨日話題した心配症のオカシナ子。初対面の後日、未経験を嘆く彼をとあるパーティーに誘った。ま、それだけ。その後、連絡を取ることもなかった。てのも、彼は私の好みじゃなかったからね(笑)パーティーで同席した時の印象も薄い。つまり、いつもながらの一期一会だと思ってた。
その彼に、ある時バッタリ会った。やはり、その手のサロンで。自慢の体を衆目に晒して、陶然としてたヨ。頃合いを見て声を掛けると、照れ臭そうに笑った。「コンナとこまで顔出してんの?」「ハイ、色々経験した方がいいって仰って頂いたお陰で…」まさか、私のお陰とは思わないけど、あの彼にしちゃ吃驚な展開だねぇ。
トコロガ、数年後、更に吃驚な展開に出喰わした。ふと手にしたM専誌のグラビアに、彼の姿があったのだ。もちろん目線は入っているが、顔の輪郭や体つきで、はっきり彼とわかった。投稿写真じゃない。明らかにモデルなんだ。んー、ナルシストの彼としては、進むべき道であったのか。しかっし、コンナになっちゃって(笑
・・・・・。
M魚の中には、何十年も妄想だけに縋ってる奴もいるってのにさ。急進派の奴らって、とんでもない変貌を遂げるモンだ。やっぱ、それもMのサガってことかしら?(笑
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