女房様とお呼びっ!
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2001年11月14日(水) |
ホームシック/ノスタルジー |
あたしたちは。
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あぁ、今日だけは「あたしたち」と云おう。 M魚達が、何かというと「私達」と言うのが嫌いな私だけれど。
『 言い訳するのも、主張するのも構わないから、 Mという同胞を十把一絡げにするのはやめろ。 言い訳も、主張も、お前自身のことだ。「私は」と言え 』
そう、再々に説教をたれてるのだけど。
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あたしたちは。
どうしてこんなことをしてしまうのだろう?
首を絞め、肉を裂き、流れる血に唇を寄せ。 皮膚を焼き、骨が軋むほどに打ち据えて、抱く。 傷口をくじり、内臓の奥深くまで、指先は温みを求む。
それなのに、お前たちは、殉教者のように苦渋に随喜する。
なぜだ? ヒトにあるまじき我と彼を疑い、解を探す。
快楽のため? 自己実現のため? カタルシスを得るため?
あぁ、どれも当たってるようで、当たってない。 なぜなら、その程度を根拠にして、 これほど心が揺さぶられはしないから。泪しはしないから。
あたしたちは。
天上高く、あるいは地の底深く、共に暮らしていたろうか? それとも、アンドロギュノスが如く、魂までもひとつにしていたか?
遠い記憶に結ばれて、肯きあう。 叶わぬ憧れを胸に抱き、肌をなする。
あたしたちは。
せめて、この地に隣り合う稀少な同胞(はらから)。 今宵、懐かしがって泣こう。月をみつめるかぐやのように。
神話にすら記されなかった故郷は、 けれど、確かなノスタルジーを呼び続けるから。
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