女房様とお呼びっ!
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2001年11月09日(金) 逃げた魚の置き土産

そのfemdomパーティーは、年に二度開催される、比較的大きなイベントだったが、
回を重ね、集う女の面子もほぼ見知った顔ばかりとなり、妙に狎れてしまってた。
ナンというか、内輪ノリの安心感で落ち着けるのだが、こう、萌えないのよね(笑
萌える対象たるM魚も馴染みが大半で、和気藹々となる。ま、それもいんだけど。

その夜も、近所にお茶しに来たような気の抜け方で、会場のソファに身を沈めた。
まだ、人もそう沢山集まってなくて、顔を出した馴染みと挨拶程度を交わしあう。
敷き詰められた絨毯の片隅に、宴の始まりを待つM魚達がひっそりと蹲っている。
奴らの内心は、やがて展開されるエゲツナイ行為を想って、浮ついてるんだろね。

そんな風にぼんやりとしていると、M魚のひとりが私の足許ににじり寄ってきた。
ナンダ、ナンダ、鬱陶しいなぁ。ガッツクナ。うんざりしながら、奴を見下ろす。
っと、奴が口を開く。「オヒサシブリデゴザイマス」へ?いきなりな展開に驚く。
「ご記憶でしょうか?以前に、○○でお目に掛かりました」思わず、奴を見つめる。

・・・・・。

実は、こうした集まりで、突然に挨拶されるのは珍しくない。またかよ?と思う。
とは言え、声掛けられればドキとするし、慌てて記憶を探る。古傷もあるしサ(笑
ま、幸か不幸か、単なる思い込みか(笑、私は記憶力のイイ方だ。大抵思い出す。
記憶に辿り着けば、再会したい奴もしたくない奴もいるが、それもご縁って事ね。

たまに、どう記憶を紐解いても、まるで思い出せない奴がいる。ホントに会った?
失礼承知で敢えて訊けば「ええ、**でお見かけしました」って、ナンダソリャ?
キミは私を見かけたかもしれないが、私がキミを認識してるとは限らないだろう?
却って鬱々となるよ。だから、お久しぶりと言われると、つい警戒しちゃうのダ。

・・・・・。

さて、奴の口上に私は即座に反応出来ず、逆に責め立てるように眉根を寄せた。
「××様のお供で伺った◎◎でございます」えーッ、あの時の?思わず声が出る。
カウンターの中で果物剥いてた子?「ハイ」相変わらず、行儀のいい返事だこと!
随分前の話だわよ?「ハイ。二年は前のことでございます」よく憶えてたわねぇ。

逃げた魚の元主の××を捜しに○○に出向いた時、偶々行き会っただけなのに。
正確には、二年半は経つかしら?その間、もちろん、彼と顔を合わすはずもない。
「××さんトコには、まだ居るの?」「いえ、あの後暫くしてお暇頂きました…」
あぁそれで、コンナ場にも顔出しが出来るワケだ。「じゃ、今はフリーでいるの?」

「ハイ…」はにかむ様に彼が答えた瞬間から、私のゲンキンな触手が蠢き始めた。
よく見れば、綺麗な顔立ちしてるのね。体つきも私好みだわ。眺め回してしまう。
下司な欲情がくすぶるのを、腹の底で感じる。瞳に力を入れそうになる。駄目ダ。
自分を諫めながら、私は漸く体面を保って微笑む。今夜は楽しんでらっしゃいネ。

・・・・・。

数日後、私は彼を食事に誘った。ほんの少しだけ年下らしい。若く見えるのにね。
日を置いて、また呼び出す。酒を飲み、いい気分になり、雑踏の中抱きすくめた。
抗わず、なすがままに接吻に応える彼に欲情した。そろそろカナとプランが走る。
ただ不意に、また××ちゃんのお古?と、笑い出したいような気分になったけど。


でも、××ちゃん。貴女が魅力的だってのワカル気がする。皆いい子達ね。うふ♪


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