女房様とお呼びっ!
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2001年11月06日(火) |
逃げた魚に導かれ #1 |
一頃、再々にSMパブに通った。私が行くんだから、当然M魚ばかりが集うトコ。 世の習いで、女はチャージが安いのよね(笑)だから、気軽に通えたんだけどサ。 別に、獲物を漁りに行ってた訳じゃない。femdomな世界を味わってた感じかなぁ。 そりゃあ、偶には美味しい魚にもありついたワヨ。今は昔の想い出だけどね(笑)
初めは一軒の店に伺ってるだけだったけど、そっから派生して色んな所へ行った。 やっぱ、通ってると馴染みが出来て、話の流れで付き合いが生まれてって次第。 私の昔話に奇天烈な色合いを添えるのが、この時に見聞した話や人々や経験だ。 とにかく楽しかったなぁ。夢中になったヨ。週の半分位はうろついてたわね(笑)
それ程ハマってた私だけど、最初の一軒に行くまでは、殆ど興味はなかったのヨ。 M魚が単独で遊びに行くトコだって思ってた。SMクラブや風俗と同じ様な認識で。 だから、夫に「一度行ってみれば」と勧められても、全然行く気がしなかったのね。 けれど、ある日、私はその店に独りで出向いた。てのも、行く必要があったんだ。
・・・・・。
その十日程前、私はSMテレクラで、若いM魚と会話した。礼儀正しくて好感触。 聞けば、それまで仕えていた女に放逐されて、新しい主を探していると言う(!) コリャ優良物件ダッ!即会わねばッ!閃きと同時に、迷わず翌日のアポを取る。 こういう良質の出物は、早いモン勝ちなのだ。上機嫌で、色んな話を交わしたワ。
さて、翌日。悪天候をおして出向く。携帯の番号は教えてあったが、不安が募る。 と、ちゃんとかかってきた。で、対面を果たす。好みのタイプ。体に震えがきた。 ひとまず、「行きつけ」のサロンでお茶を飲む。この辺り、既にリキ入りまくりだ。 店を出て、タクシーを止める。当然、彼を奥に載せる。主導権は私にある。YES!
「円山町でいい?」も一度、確認。ハイ…と答える彼。可愛くて、ニヤけてしまう。 車を降りて、コンビニ寄って、お菓子を買って、ラブホに入って、数時間が経過。 菓子の甘い香りにまみれて、彼の端正な顔が歪み、体がしなる。滴るような色気。 私は、一遍に惚れてしまった。改めて、今後を確認すると、彼ははっきり頷いた。
ヨロシクオネガイシマス。黒目がちの瞳を潤ませて、そう言いながら頭を垂れる。 もう、私としては小躍りしたい位に嬉しくて、彼の手を引き、料理屋の門を潜る。 何デモ召し上がれ・・・気分は殆どオヤヂだ。可愛くて堪らない。ずっと見てたい。 贅沢な時間は瞬く間に過ぎ、彼は行儀良く礼を述べ、また電話しますと約束した。
・・・・・。
その翌日、私は彼の電話を心待ちにした。トイレにも携帯持って入る有り様ダ(笑 が、電話は鳴らない。その日中にはかかると踏んでたのにサ。明日に希望を繋ぐ。 しかし、その翌日も、その翌日もかかってこない。心許ない毎日が重なっていく。 待ち続けて一週間が過ぎる頃には、私は、待つのにほとほと疲れてしまっていた。
疲れると同時に、漸く「逃げられた」ことに気付く。心底がっかりした。脱力した。 折角見つけた宝物を、一夜のうちになくした気分だ。なんでぇ?とアテなく疑う。 あれしきの関わりだから、悲しいってんじゃない。納得出来ない。諦めきれない。 そのせいで落ち着かない。逃げられたんなら、それでいい。ただ、納得したいヨ。
気持ちの着地点を求めて、考えを巡らす。どうにか、彼にコンタクト出来ないか? 会話を遡って検証する。が、彼が明かした個人的な情報は、アテにならないし…。 っと、そこで一点だけ、確実な固有名詞に思い当たった。○○というSMパブだ。 彼を手放した主が、そこに出入りしてると言ってたナ。彼女の名前の記憶もある。
・・・・・。
その彼女に会おう。そのために○○へ行こう。身勝手にも、私は瞬時に決意した。
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