女房様とお呼びっ!
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2001年11月05日(月) 古傷が疼く・・・

なんて掲題すると、メランコリックなこの季節、失いし恋でも回想してる風だが、
実のところ、マジに、物理的に、古傷が痛む。うはー、婆ムサくってご免遊ばせ。
ここ最近、急に冷えが入ったからなのか、体調が優れず寝込んだ後遺症なのか、
昔傷めた所に、痛みのような痺れのような、鬱陶しい状態が続いている。うーん。

骨折した事ある人が、寒くなると辛くてね…なんて仰るのは、こんな感じかしら。
幸い、私は骨を折った経験はない。今、疼いているのは、単にスジを違えた所だ。
でも、現在のこの嫌な感覚は、事故を招いた、忌まわしい瞬間の記憶を蘇らせる。
とすれば、不幸にして、大きな事故に遭われた方々は如何ばかりかと思う。合掌。

さて、話は再度、私事となるが。あの忌むべき瞬間から、もう4年は経つと思う。
が、今回のように、ジクジクと疼くのは初めてなので、いよいよ意識してしまう。
普段は思い出しもしないけど、すっかり忘れ去ることはないだろうな。あの瞬間。
今疼いてる太股のトコで、ボンッと音がしたんだ。楽器の弦が切れたみたいに!!

・・・・・。

何故そんな事になったか?記事のネタにする位だから、もうお察しのことだろう。
場所はラブホ。私は下着姿でベッドに座り、裸の男の背を股座に抱きかかえてた。
私の膝の中で、男は、己のちんこを必死に擦りたて、懸命に達しようとしていた。
私の温みと鼓動を背に感じ、私の息吹と声を耳に聞きながら、男は射精に挑んだ。

男女別なく、オーガズムに達しようとする時は息むものだ。男も何度もそうした。
その度に、男の荷重を受けた。比較的華奢な男だったが、のしかかる重さは凄い。
咄嗟に筋肉が強張り、その重みに耐える。自分の体が軋むのが判る。相当辛い。
壁際に背をつけずに体勢をとった事を後悔した。でも、もう動けない。覚悟する。

幾度目かに彼が息んだ瞬間、腿にその鈍い音が鳴り、激痛が走った。怖かった。
彼を抱きながら、己の体に起こった変異に戸惑い、逃げ出したい程不安になった。
でも、今、彼を見放す訳にはいかない。使命感だけで抱く。彼が、再びのけぞる。
臀部から太股にかけて、既に感覚がない。早くイッテくれと祈るような気持ち・・・。

・・・・・。

この時、私達が一体何を成し遂げようとしていたのか?理解に難いかもしれない。
目指したのは、彼が、他者の居る空間で射精すること。彼はその経験がなかった。

強迫神経症気味の彼は、有り体に潔癖症で、他者と親密に関わる事が出来ない。
つまり、女の粘膜そのものを嫌悪し、いわんや他者と交わる性行為も不能なのだ。
ただ、まんこは嫌いでも、健康な性欲はある。異性愛を求める健全な精神もある。
結果、性的に他者と繋がれない自分に不全感を覚えて、長く苦しんできたんだね。

だから、彼のエポックたる「性的な場面に他者が介在し得る経験」が必要だった。
もちろん、その他者が私である必要はないのだけど(笑)一期一会の腹を決めた。
ドクターショッピングの履歴を自慢げに語る彼に、お節介ながら、同情したんだ。
少なくとも、私との一期が、彼の失望を重ねないように、大切にしたいと思った。

・・・・・。

最終的に所期の目的は果たされ、そこで初めて彼の笑顔を見た。心底安堵した。
彼を抱え続けて、2時間余りが経過していた。よく頑張ったワネと、彼を労った。
自己満足に過ぎないのだろうが、明るさが彼に宿る様子に、何より慰められた。
そして、私達は別々の帰途につき、つまり、その後再び対面することはなかった。

・・・・・。

この翌日から約半年、私は太股の痺れに悩まされることになる。これが古傷(苦笑
結局、自業自得の傷なんだね、相も変わらず(笑)仕方ナイヤと撫でるだけサ・・・


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