女房様とお呼びっ!
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2001年11月02日(金) 死を巡りて想ふ

私には夢がある。夢というより野望か?(笑)人様には笑われそうなモノだけど。
それは、もう少し年取ったら、ハタチ位のM魚コマして、若紫よろしく育て上げ、
私が老いて不自由な身となれば介護させ、やがて最期を看取って貰うという夢だ。
その時、夫や身近な奴隷が健在ならば、どうか仲良く手分けして面倒みて欲しい。

仔を持たないから、そんなクダラナイこと夢想するんダと呆れられそうだナァ(笑
でもま、死ぬときは独りと覚悟して生きているのだもの、夢見る位イイじゃんね。
運悪く、相手に恵まれなかったとしても、私は死ぬまで欲深く、足掻き続けたい。
脳天気に宛ない希望を繋ぎ、己の死後に墓守する奴隷の幻に胸ときめかせたい。

・・・・・。

「死」は、ロマンチックな恋愛のモチーフだ。死しても変わらぬ愛の存在とか…。
ある意味、ピュアな恋愛の側面を持つDS関係にも、死を見つめるロマンがある。
いや、並の(?)恋愛以上かも知れない。死の絶対性は、DS界の住人の憧れだ。
死ぬの死なないの、殺すの殺さないのと再々話題する。ま、これが既に背徳だワ。

古い奴隷とは、「どうしたら首尾良く殺し(され)仰せるか?」についてよく話す。
だって奴は、私に殺されることが夢なのだから。夢物語を交わすのは気持ちいい。
それが実際の行為を盛り上げ、また行為の記憶が、仮そめの具体性を夢に映す。
「あと一息力を入れて下されば、逝きましたね」行為を回想する奴は幸せそうだ。

・・・・・。

私が知る古参のS女は、壮絶な昔話を笑顔で語る。その真偽の程は判らないが。
少女歌劇で活躍した過去をもつ彼女は、請われて、幾人もの男に君臨し続けた。
「警察にも、何度か行ったワ」男の何人かが死んだ折。「でも、掴まってないわヨ」
彼女と死んだ男が交わしたであろう、純度の高い行為。想像すると鳥肌がたつ。

「昔の奥方がたってのは、出来た方が多くてね。アタシんとこに礼に来たモンよ」
男との間柄がどうあろうと、彼女は日影の身たる妾だ。弔いの席には出られない。
それで、本妻の方から出向いたというのは嘘臭いけど、甘やかなファンタジーだ。
「私には適わない夫の世話を、長々して下すって…」と頭を下げるらしい。素敵。

・・・・・。

以前、あるエピソードに感動した。実話だったか、フィクションだったかは不明。
ある女に仕えていた老齢の男が死ぬ。男の死を知った女は、葬儀に駆けつける。
親族はもとより、公私に亘る関係者が集う大きな式は、男の生前の地位を表す。
その誰もを、女は知らない。その誰もが、女を知らない。けれど、女は参列する。

故人との由縁わからぬ女の参列に、人々はざわめき、冷ややかな目で凝視する。
拒絶の視線を浴びながら、女は遺影の前に立ちつくす。次第に怒りが女に満ちる。
誰が先に死んでイイって言ったのヨッ・・・焼香を掴み、遺影に向けて投げつける。
そして、彼女は微笑む。お前にはコンナ送り方がふさわしい・・・。頬に涙が伝う。

・・・・・。

今現在の予測として、私は夫より長生き出来そうにないなぁと思っているのだが、
もし、夫を送る側になったら、夫の棺に何を入れてあげようかなと甘く空想する。
で、コレダケハってのは決めてるんだ。うふふ。(それは当然、契りの首輪だよ)
ま、その為には、長生きよりもまず、夫との縁をなくさないようにしなくちゃね。


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