女房様とお呼びっ!
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古い奴隷とは5年程の付き合いになるのだが、私は彼の実年齢を知らない(!) というか、まともなプロフィールを知らないと言った方が正しいかもしれない。 いや、別に戒律主義的DSみたく、奴隷とは余計な会話はしないってんじゃない。 どっちかてと、無駄に喋ってばかり。それが却って、この状況を招いてるかもね。
ハッキリ言って、奴は老人(!)だ。話のネタは、病気自慢と最近誰が死んだか? 死人の話が出る度に、お前は幾つまで生きるつもり?と訊いてみる。お約束だ(笑 すると、必ず「120才の予定ですぅ」と答える。あぁあぁ、マジ、生きそうだな。 ついでに、一体幾つにナッタ?と訊く。「忘れましたぁ」とはぐらかされる。フンッ
時々「もう死んでもいんです…」とほざく。爺ぃになっても、面倒はあるらしい。 死にたいんなら勝手に死んでもいいけど、アタシが殺してやる約束はどうなるよ? と、瞬間、奴は顔を輝かせて「あぁ、無駄死には嫌ですぅ」と甘えた声で答える。 アタシが殺すまで生きてろ。本心から思う。てな訳で、奴は暫く生きる予定だ(笑
・・・・・。
巷を回遊するM魚達の中にも、奴なみの老体はうようよ居る。イイ余生だよなぁ。 最近、とあるムックに紹介された老魚は、斯界で有名な人物だ。私も面識がある。 紹介記事によると、彼は66才らしい。うーむ、そんなに歳喰ってたのか。感心。 想像してたけど、字面にすると迫力あるな。見た目は、詐欺まがいに若いんだぜ。
けど、私は彼が泣き言垂れるのを聞いたことがある。何かの余興で責められた折。 「若い頃はヨカッタけど、今じゃ、熱いモノは熱いし、痛いモノは痛いですぅ…」 思わず噴き出してしまったけど、そんなもんなのかな?それでも彼は頑張るのだ。 「二年後に引退予定です…」と再々聞くけど、もう何年も聞いてるぞ、その台詞。
彼と同輩の別の爺魚が嘆く。「OB会とか行くのヤなんですよ、ボク」どうして? 「趣味の話してても、詩吟だゲートボールだ、若さがナイ」若さって・・・キミ(笑) 「その点、ボクが若さを保ってられるのは、女王様がたとご一緒してるからで…」 色の海に泳ぐのが、彼のアイデンティティを支えているらしい。余生に幸いあれ。
・・・・・。
とあるパーティで、お馴染み爺魚と初顔の爺魚が、何やら親密に話し込んでいた。 仲良くナンのお話かしら?挨拶程度に声を掛けると、お馴染みがズィと進み出た。 「こちら、特攻に行ってらしたんですッ」興奮に頬赤らめ、息を弾ませ言い募る。 「凄いンですッ」徴兵にもれて出征しなかった奴にとっては、憧れの的らしい(笑
初顔の方が「いえ、結局帰ってきたんですから」と、照れ臭そうに言う。面白い。 どっちも死なずに、マゾやれてヨカッタじゃん?と言えば、互いに肯きあう二人。 「でも、こちらさんの方がマゾとしては凄いです」と初顔が、羨ましそうに言う。 お馴染みは、セビアンビデオに出たのが誇りで、それを折々に吹聴してるからサ。
ウンウン、どっちも凄いねぇ・・・幼稚園の先生みたいな言葉を掛けて、鞭を取る。 老体の乾いた肌にも優しい(笑)ヘロヘロのバラ。どっちが凄いか調べてやるよぅ。 っと、お馴染みが背を向ける。普段は鞭なんてしないのに。驚いた。大丈夫かい? ま、奴の気持ちもワカル。派手な音が出るように、跳ね鞭を10打程打ってやる。
一旦手を休め、終いにするつもりで、様子を訊く。久しぶりだと、堪えるでしょ? すると、奴は上目遣いに願い出る。「歳の数だけ頂けますか?」ナニイッテルノ? 冗談かと思って、奴の目を見たら本気だ。あと62打あるヨ。ホントにイケルの? 「お願いします」と奴は姿勢を正す。健気な奴にほだされて、私は奴を打ち据えた。
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なぜか、私は爺魚に好かれるらしく(笑)ネタは数多あるも、本日はココまで。
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