女房様とお呼びっ!
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2001年10月30日(火) ひとりあそび


たった独りの部屋の中で、私は一人遊びに耽ります。


光の中に手をかざして、
バレリーナのように指先にしなを作ってみたり、
スカートの裾を腿の辺りまでたくし上げて、爪の先から掌でなぞりながら、
膝小僧や踝の形やそのこりっとした堅さを確かめたり、
柔らかくてすべすべしたふくらはぎや内股の肉の重みを感じたりします。

裸になって、鏡の前に立って、
顎の線や耳から首元に向かう筋の辺りや、鎖骨のくぼみに指を這わせます。
まるで一筆書きをするように、途切れることなく続くからだの線。
ふっくりとしたおっぱいの輪郭や、丸く縊れた乳首の先や、
なだらかに下腹へ向かう白い脂肪の上。
それから体を少し傾げてみる、お尻のカーブ。

やがて指は、女であることをしっかりと主張する腰骨に辿り着き、
さわさわと体毛の茂る辺りに吸い込まれていくのです。


指先に塗ったマニキュアが、
先の方からほんの僅かだけ剥がれているのは、
昨日、あの人に会う前に塗ったものだから。

足の指を見つめながら、心がざわざわしてしまうのは、
そこにあの人の唇が覆い被さって、果物のようにしゃぶられたから。

足は、まるで二本の棒きれみたいに左右に分けられて、
ふくらはぎは肩に担がれて、太股を押しひしがれながら腰骨を捕まれたっけ。

そうよ、この首筋にもあの人の舌が這い、この乳首を吸い立てられたの。
あの人の掌の中で、おっぱいが粘土みたいに形を変えていた。
持ち上げられたり、揉まれたりした。

今ここにある身体全部、愛された。


そうして長い時間を掛けて、自分の身体を見つめるうちに、
こんなにも切なくて愛おしい気持ちを感じてしまうのは、
昨日、あの人がそうしたから。

独りで居るはずなのに、こんなに濡れてしまうのは、
体が愛された時間を覚えているから。
狂おしいほどに。


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