女房様とお呼びっ!
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2001年10月20日(土) 最高のセックスフレンド #1

その男に会った動機は、実に不埒なものだった。いや、直に会う以前から、不埒な成り行きで、その男とは知り合った。例によって、テレクラを介して、しかも、そのテレクラのオーナーから「お得意さんだから話してやってくれ」てな、サクラまがいの依頼を受けて、男が来店するたびに、私は電話をかけたのだ。暇だったしさ。

声のいいその男は、しかし、オーナー曰く「イイヒトダヨ」って評価だったから、男前だとか恰好イイとかじゃないのだろう。けれど、話振りは軽妙で、自信を醸す態度も小気味よく、ま、テレクラなら「モテ線」の方だったと思うよ。けれど、私としては「会いたい」と思う程の感触を得ないまま、適当な話題を交わして時間を潰した。

・・・・・。

その週末の夜、私は男に会った。別な男と会わないで済むように。鬱陶しい電話を受けずに済むように。失礼なその事情を明かしたが、それは、男にも好都合であったろうか?何度か対話した気安さもあって、私達はすんなりとアポを交わす。たかがテレクラの縁だしね。そのテレクラのある、その駅の構内で、初めて対面した。

お世辞にも、モテ線の男ではなかった。ちょいと斜に構えた態度が、まるで男振りにあってない。もっさりした垢抜けない男。それでも、善は急げと同じ電車に乗り込む。その夜は、男の部屋に避難する心づもりだったから。出がけに、誤って胸元に零してしまったコロンが臭かった。笑って詫びる私に、男も「クサイネ」と笑った。

・・・・・。

海辺に近い男の部屋で、いざとなった私の股間に赤いものを見た。アア、シマッタと後悔したが、それを男に告げた。ラブホならいざ知らず、始末に困るヒトんちだもの。男がどんな態度に出るか、少し不安だった。けれど、男は意に介さない風に言ってのけたのだ。ショウガナイジャン。そして私に訊く。「普段は何使ってるの?」

質問の意味がわからずにいた。「生理用品のことよ」男が笑う。タンポンですけど。あ、ナプキンも補助に使う。真正直に答える。すると「待っててね」と言い置いて、男が玄関から出ていく。その背中を見送りながら、何だかとても不思議な気分でいた。やがて、男はタンポンとナプキンの入った袋を下げて帰ってきた。「ハイ!」

・・・・・。

以前記事した、バイブを宅配便で寄越したのが、この男だ。その初日の一件があって以降、私は男の部屋に何度も通った。男のセックスがよかったのかどうか、それは今を基準に考えると、判断しづらい。けれど、奔放で濃密な時間を愉しんだ。いつでもソレは始まるし、際限なくシテた。欲張りダナと笑われながら、安らいでた。

思い返すと、実に気の利く男だった。先の生理用品の事も然り。私が寝てる間に、金玉の毛を剃っていたのも彼だ。たまたま寝起きに見てしまったけど(笑)そう言えば、朝方お台所で水を飲もうとして、流しの三角コーナーに、卵の殻が二個分あるのを見たことがある。精をつけようと思ったか?その心映えに笑ってしまった。

・・・・・。

どうやら、男は何人もの女に気に入られてたらしい。さもありなん。風貌はともかく、気配りやら、衒いのなさやら、女好きのする男だもの。女達の話をよく聞いた。そんな事柄をあっさりと話す姿勢が好ましかった。男は誰にも恋してなくて、私も当然(笑)恋しちゃいない。その距離感が都合が良かった、多分、お互い様に。


そして、一年ほど経ったある日、私は男に誘われて、南の島へ旅をした。


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