女房様とお呼びっ!
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2001年06月22日(金) 懺悔#2 〜サヨリ〜

先日、久しぶりにサヨリ(仮名)から電話が入った。長い付き合いのM魚だ。
どうやら寂しかったらしい。主様とはうまくいってても、会えないと辛いって。
「うんうん、分かるよう・・・んじゃー、今度また遊ぼーねっ♪」
と言ったらば、何だか言葉を濁してる。んんー?どしたの?サヨリちゃん?@@
「だって、青葉さんには、あのー・・・ほら、ね・・・?」
・・・あぁぁぁっ、思い出したぁっ!数年前のあの日のことをっ^^;

・・・・・。

という訳で、懺悔です。反省してます。もうしません。神様・・・!


酷く暑い夏の日の午後、私達は薄暗い喫茶店で向き合っておりました。
「憶えてないんですか?・・・なら、もう、いいんです・・・」
困ったような笑顔を見せて、サヨリは一言そう言うと、俯いてしまいました。
「ごめんね、サヨリちゃん。ホント、悪かったわ・・・」
台詞にすると薄っぺらな、でもとても深刻な気持ちで、私は言葉を継ぎました。

テーブルの上のレモンスカッシュを見つめたままで、時間が過ぎます。
次に何をしたらいいのか?何を言えばいいのか?まるで考えが浮かびません。
「・・・アタシはキミに何をしたんだろう?」
困り果てた挙げ句、口をついた言葉は、そんな滑稽なものでした。
「・・・アタシのものになれ、と仰いました・・・」

サヨリはそう言うと、更にうなだれて、手の甲を目の縁に沿わせるのです。
嗚呼!サヨリちゃん、サヨリちゃん、アタシ、そんな無責任な事を言ったのね?
吐きそうになるほどの後悔が、胸の底から突き上げるのを感じました。
でもここで、私が彼と同様に深刻になることも出来ず、笑って言い放ちました。
「・・・酔った勢いってヤツかなぁ・・あはは、許してよう、サヨリぃ・・・」


確かにその時、私は酷く酔っぱらっていたのは間違いありません。
夜っぴきのパーティーで沢山酒を飲み、寝不足もあって、やや朦朧としてました。
朝の五時に宴がはねた後、私とサヨリともう一名が、駅へと向かう道すがら、
ラブホの看板に出喰わしました。そこで、サヨリがふと軽口を叩いたのです。
「最近、こうゆうとこ、ぜんっぜん来てないっすねー、ボク、あはっ」

「んじゃ、行く?」多分、単に思いつきでそう返してしまったのでしょう。
途端、サヨリが「え?」と困った顔をし、もう一名には笑って辞退されました。
「あら、来れば?」彼を促しながらも、既に私はサヨリの腕を掴んでおりました。
結局もう一名は駅方面へ去り、私はサヨリの手を引き、ラブホを目指しました。
自動的に連行されながら、サヨリがどういう表情をしていたのかは憶えてません。

そして、ラブホに到着し、エレベーターに乗った以降の記憶が欠落しました。
私がまともな意識を取り戻したのは、一旦寝て、目が醒めてからです。
何故か起き抜けからハイテンションだった私は、彼の変化に気付きませんでした。
いえ、若干の違和感を感じてはいたのです。でも、気のせいだと思いました。
が、それも、外に出て眩しい夏の日差しを浴びると、すっかり忘れておりました。

「そだそだ!サヨリちゃんに買ってあげるもの、あったわよねぇ?」
デパートの中で涼みながら、私は彼に言いました。ところが、何か変なのです。
嬉しそうでも楽しそうでもなくて、少し心配になりました。疲れてるのかな?
でも、普段は始終笑っているような表情の豊かな子なのに、どうしたんだろう?
と、ある瞬間、徐々に胸に拡がっていた不可解が頭の中に像を結び始めました。

エ?エ?エ?・・・モシカシテ、アタシ、何カシテシマッタンダワ・・・?!

そういえば、今朝、私の歯磨きの間中、彼は洗面所の床に正座してた・・・??
そういえば、ベッドの上から床に正座する彼をずっと見てた、アタシ・・・?!
そういえば、この子の顔に、昨日買ったばかりの顔面ギャグを掛けた・・・!?
そういえば、ふと目を覚ました暗がりに、涎を垂らした彼の顔があった・・・!
そういえば、アタシの股の間に彼を引きずりあげて、まんこ舐めさせた・・・!

嗚呼!アタシッタラ、ナンテコトヲッ!!

突如沸き起こる断片的な記憶の渦巻きに、眩暈を起こしそうでした。
脱力しながら振り返ると、そこに、緊張して立ちつくすサヨリがいました。
目が合うと、また困ったような、少し引きつった笑みを返して寄越すのです。
その様子に私はうろたえつつ、彼を最寄りの喫茶店に伴ったのでした。


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