女房様とお呼びっ!
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2001年06月19日(火) 煽られて、誘われて

オンナをバラ鞭で打ってしまった。
しかも、よく知りもしないM女さんを、だ。とある秘密サロンでの出来事。
いや、面識くらいはあったのだよ。明るく喋る快活でチャーミングな女性だ。
彼女がM側の人だというのも知っていたけれど、特別な感情は全くなかった。

だって、私はSMにおいても完璧にヘテロで、女に欲望することは皆無なのだ。
性対象として見る自分以外のオンナは、はっきり言って怖いし、キモチワルイ。
造形としては賛美できる乳も尻も触りたくはない。まんこなどは見たくもない。
オンナに触られるのも嫌いだ。女同士がふざけて抱き合うのも遠慮したいほど。

とは言いつつ、これまでに唯一度だけ、オンナを打った経験はある。
相手は長年の友人で、イベントの余興で鞭を振るった。割と最近の出来事だ。
初体験ながら、とても自然にそうしてしまったのは、ギャラリーが居たせいと、
友人がM的な肉を持ちながら、依存型Mを脱皮した事実を認知していたからだ。

だから、女の子同士があやとりするみたいに、行為の授受を楽しんだ。
普段電話でお喋りしてるようなあっさりした交流が、鞭での会話になっただけ。
友人の背や尻やまんこを、笑いながら打ち据えるのは、冗談の応酬みたいで、
流石に切なくなった友人が、事後に私の身体を触るのも全然イヤじゃなかった。

けれど、けれど、けれど・・・その彼女についての成り行きはそうじゃなかった。
ナント、自ら彼女の身体を抱きしめた。気付くと抱きしめなきゃと思っていた。
鞭打ったのも、打ってあげたかったからだろう。ただ、その記憶は曖昧だ。
実際今も、行為した自分に吃驚している。いったい、何が起こったのか?

正直に言おう。ワタクシは「彼女に使われてしまった」のだよ。嗚呼!
特別に酒に酔ってた訳じゃない。強いて言えば、場の雰囲気には酔っていたさ。
思えば、彼女が姿を見せた瞬間から、私は彼女の呪文にかかってしまったのだ。
だって、彼女は「みなしごハッチ」みたいなオーラを纏っていたのだから。

色の薄い猫毛を束ねもせずに、雨に濡れた子犬みたいにぼーっとやって来て、
小声で挨拶をしたっきり、部屋の隅っこの床に裸足でぺたんと座りこんでいた。
誰かが渡したグラスを両手で包み込むようにして、眩しそうに様子を窺う。
華やかなサロンには不似合いな、その風情には誰だって目を奪われるはずだ。

ああ、言い訳はやめよう。はっきり言って私はずっと注目をしてしまったのね。
道端に迷う捨て犬を見かけてしまった時のように、目が離せなくなったんだ。
「ネェ、アタシヲドウニカシテ・・・アタシヲドウニデモシテ・・・ネェ?」
彼女の発信する電波が、同心円を描いて部屋中に拡がっていくのを感じていた。

私は確かにその電波を受信したけれど、同調する気はなかったのね、その時は。
だって、彼女の相手をしてあげられるSの男性も同じ空間の中にいたんだもの。
それに、その手の「誰デモイイカラ」オーラに乗る程、私はお人好しじゃない。
っと、そんな風に考える事こそが、彼女の術中にハマってるって事なんだけど。

果たして彼女は、思惑通りに一旦は誰かの手に掛かってドウニカサレタらしい。
少し目を離してる間に、既に床にうずくまり、小さく震える塊になっていた。
これが私が鞭を握る寸前の記憶。ここで止めときゃ良かったのよ、本当は・・・
けれど、止められなかった。ドウニカシテヤリタイ気持ちに駆られてしまった。

きっと、ワタクシは柔らかく愛撫するような、心地よい鞭をくれたはずだ。
それは相手が女だってことでなく、彼女がそれを望み、私をそう操ったから。
行為の上でのSとMは、その力関係としてはすっかり逆転してしまったのだ。
それで、私は未だにぐずぐずと回想している訳だ。ちょっと悔しくて、さ。

これからは気をつけよう!と反省してるけど、実はあまり自信はないんだね。
だって、妖しいサロンに甘い罠は付き物で、罠も折り込み済みで楽しむことが、
まさに「オトナの遊び」だとも思うから。その割に往生際が悪いね、私。うふふ
あー、でもやっぱりオンナ相手は後口が悪いわ。今度は男に煽られたいよ(笑)


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