サッカー観戦日記

2024年06月01日(土) クラブユース選手権北信越大会準決勝 新潟−富山 松本−長野

クラブユース選手権予選は分散開催化が進むが、北信越はセントラル開催のままである。今年もJユースの5クラブがエントリー。先週にツエーゲン金沢とカターレ富山で1回戦が行われ、今季好調でプリンスリーグでは首位の富山が今季イマイチの金沢を破って準決勝に進出した。準決勝の勝者2チームが全国に進む。

さて会場はフットボールセンター富山である。一昨年度まで日医工の名前がついていたが、会社経営がだめになって昨年度から北陸建工アスレティックフィールドという名前になっている。富山県サッカー協会もクラブハウスに入っている。で、どうやってたどり着くかだが、昨年は大阪から夜行バスだった。相当しんどかった記憶がある。が今年3月に北陸新幹線敦賀延伸があり、実は当日移動でも間に合う。「つるが」初の「つるぎ」に乗ればいいのだ。ならば体力的にキツイ夜行バスはやめにした。
高槻を6時45分のサンダーバードで敦賀に向かい、そこから北陸新幹線で富山へ。そして第3セクターで4つ目の滑川に行き、そこからタクシーで1600円でフットボールセンター。

昨年は準決勝は第1試合終了後に第2試合が行われたが、今年は同時開催なので前後半に分けて観戦する。前半は海側のピッチのアルビレックス新潟対カターレ富山にする。

クラブユース選手権北信越大会準決勝
アルビレックス新潟−カターレ富山
6月1日 10時半 フットボールセンター富山海側ピッチ 晴 人工芝


新潟
十九十五
十四二四十番七番
五番四番六番二番
一番

富山
十三十番
十一七番六番九番
八番十六五番二番
一番

新潟は圧倒的支配力が武器。トップ昇格のキーパーは長短の正確なキックがプロ級というよりプロ以上。まあプロになる以上はプロに優る部分があるのは当然で、プロ選手より何もかも劣るなんてあり得ないが。そして長身で高さもしっかりしていてキャッチングもいい。このゲームでは見られなかったが反応も素晴らしい。プロになるだけでも凄いが、彼は順調に伸びればA代表を狙える。左センターバック4番はやはりキックが正確でたぶん右利きだが左足も良い。それも意識したミドルパスがいいだけでなく、簡単に蹴るショートパスが自然体で正確だ。カバーも鋭い。高さも抜群でセットプレーもターゲットになる。とはいえサイズは180センチくらいで、正直プロのセンターバックとしては高さが足りない。3バックのチームでしかやれない。ほかのポジションをやれるポテンシャルはあると思うが。右センターバック6番はビルドアップ能力が高い。大学でも十分やれる。左サイドバック5番は左足セットプレーを蹴る。偽サイドバックとして仕込まれている。運べるスキルもある。運動力もある。新潟はサイドバック育成が上手いのだが、彼も素晴らしい。右サイドバック
2番も中も外も上がれる。守備力も高い。中盤下がり目の10番はチーム1のテクニック。基本的には下がり目から柔らかいパスで組み立てるのだが、相手を見て運べるし密集で仕掛ける迫力もある。なんとなく京都ユース時代の福岡慎平が浮かぶ。トップ昇格内定発表がキーパーだけな以上、彼が即昇格はないのかもしれないが、彼はプロの可能性があると思う。24番は運べる選手で番号から言って下級生だろうが有望。左ハーフ14番は富山がタテを封じていたので要警戒選手とわかるドリブラーだが、中にもタテにも行ける選手。右ハーフ7番はレフティ。セットプレーも蹴る。15番はエース。身体をがっちり入れるポストプレーは強靭で自ら突っ込む迫力もある。シャドー役もポスト役もできるタイプ。19番は下がり気味の位置から飛び込むプレーが得意。北信越クラブユースの雄新潟は今年も一騎当千の兵揃いだ。

対する今季好調のカターレ富山は一般的にはテクニカルなチームという評だが、なかなか逞しい。やはりビルドアップできるチーム。キーパーはキックがしっかりしている。右センターバック5番は高さは足りないが胸板が厚くパワフルでミドルパスが正確だ。左センターバック16番は高い。5番ほどではないがフィードもある。下級生としたらかなり有望。右サイドバック2番は5番と連動してドリブルを封じる。チームの中で自分を生かす戦術眼が素晴らしい。いかにもJユースのサイドバックだ。左サイドバック8番はタテ突破をほぼ封じた。6番は視野が広い。ミスが少ないし正確に繋げる。そしてベンチからの指示か分からなかったが、新潟の攻勢が続くとバックライン近くに下がり、富山が回す時間を作った。7番は仕掛けられる選手で6番よりも攻撃的。そしていい位置にいてボールに絡むことが多い。13番はスタート時はトップだったが猫だましで実は右ハーフ。2番をフォロー役に自ら仕掛けることが多い。11番はタフだ。攻守に走り回る。9番は正確に収める。身体はないがきっちり教えられている。ただ個では打開できなかった。リアルストライカーかな?10番はトップ脇タイプ。高川諒希と思われる。運べるしパスも正確だ。ただ飛び出す動きは少なかった。なるほど、プリンス首位なだけはある。チームとしてよくまとまっている。個性がかみ合っている。

ゲームは開始早々、左パスにニア寄り19が突っ込み決めて新潟が先制。前半は新潟がリードして終了。後半はピッチ移動したが新潟が2−1で勝ち全国に進んだ。

立ち上がりから支配にかかる新潟と、それに対しただ引くのではなく、自陣で回して支配しにかかる富山とポゼッションチーム同士の駆け引きが楽しかった。富山のサッカーファンはこういうゲームを観れば楽しいと思う。今の高校生はこういうレベルにまで達しているのです。富山第一高校が全国制覇した時も別に勢いに乗って優勝したというより、純粋に力で押した感じだったが、今のカターレ富山は当時の富山第一を超えているのです。プリンスリーグは無料で観られるし、プロはお金がかかるから、というひとにはお勧めできます。






クラブユース選手権北信越大会準決勝
松本山雅−長野パルセイロ
6月1日 10時半 フットボールセンター富山山側ピッチ 晴 人工芝



松本山雅
十三九番
十番
八番七番六番十四
四番三番五番
十二

長野パルセイロ
十一九番
七番十八十七誰々
六番二番四番誰々
誰々

長野はオレンジに白の番号という判別困難系だが、パンツの番号は分かりやすかった。ただ逆サイドの右サイドバックと右サイドハーフは分からず。今は双眼鏡を観戦に持って行っていません。キーパーはうっかり未確認。よくあることですが。

前半は1−1。

双方バチバチに戦う。激しいデュエルが続く。それを支えているのは若くて優秀なレフェリーだ。昔はユースは高体連と比べると審判の能力が厳しかったが、今はむしろユースのゲームを吹く主審こそが優秀だ。この大会は北信越協会からの派遣かもしれないが。判定は正確でしかも人間的にもしっかりしていて高校生相手に上手くコントロールできている。

松本山雅はプリンスリーグ2部。3−5−2で3バックはゾーンなのだが、カバーが怪しくボールサイドに寄りがち。高さもたりないか。4番は坊主頭のファイター。6番はタフで身体の入れ方が素晴らしい。戦う松本山雅の象徴だ。7番は展開力が素晴らしい。キープもできる。キレもある。14番もサイドのバトルを戦い続ける。8番はスピードがある。10番は突っ込んでいく迫力があり、うまさを見せるというより戦うテクニシャン。9番は長身センターフォワード。身体を張り続ける。前線で戦うポストプレーヤー。

長野は長野県1部リーグで絶好調。昨年下級生と思われる選手が中心だったが、今年も持ち前の戦術眼と戦う姿勢を両立させている。左センターバック2番は高さと技術があり、松本山雅9番に寄せられても失わない足元もある。この二人のバトルは楽しかった。右センターバック4番もなかなか。能力が高いから松本山雅9番も孤立してしまう。左サイドバック6番はタフ。左ハーフ7番は必ず切り返す癖がある。ボランチの18番17番は特に能力が高いと思うのだが、昨年もこの番号は目立った。昨年は下級生だと思ったが、もしかして番号そのまま持ち上がった?仕事を均等に振って交互に下がり組み立てて大きく展開し、飛び出して激しく潰す。右ハーフはガンガン飛び出す意識が強い。11番は技を見せるフォワード・。あまり派手な技術を見せない長野にあっては一番のテクニシャンだが、このチームの持ち味の戦術眼はしっかりしている。9番は前線で身体を張り続ける。

さてゲームは長野が右スペース、ポジション的に右ハーフだと思うが、パンツの番号では7番だった気がする右クロスにファーで待っていた11番が松本山雅5番を前にワントラップして浮かせて上を抜き決めて1−2。さらに終了間際に松本山雅の攻撃で6番が長野18番にカットされ、一気にロングカウンター、たぶん右ハーフが飛び出して流し込み1−3として勝負を決めた。ATに松本山雅がセットプレーから決めたがそれまで。2−3で長野が勝ち、2年連続の全国行きを決めた。


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