サッカー観戦日記

2023年06月03日(土) クラブユース選手権北信越大会準決勝 金沢−長野 松本山雅−新潟

クラブユース選手権北信越大会について。近年クラセン予選はセントラル開催がなくなってきている。今でもあるのは東北と北信越だけだ。北信越の場合、J5クラブが富山県でトーナメント。先週富山対長野があり、長野が5対1で勝って準決勝進出を決めた。北信越の全国出場枠は2なので、準決勝の勝者が全国に行く。つまり準決勝は代表決定戦なのだ。

会場は北陸建工グラウンド。昨年まで日医工グラウンドという名前だったフットボールセンター富山である。富山県協会もある。さて、この遠征前日、関西を、というか日本を台風2号が襲い、湖西線や北陸本線が止まった。予定では大阪からの夜行バスだが、予約していた阪急バスも長野方面などが台風の影響で運休になり、さらにJRバスの北陸方面も運休になった。ルートは同じ北陸道だからどうなるかと思ったが、幸い阪急バスは運休にならず、無事出発した。翌朝、富山駅に6時前につき、食事と思ったが駅コンビニも店も6時半から。さらに駅から会場へのバスも予習では8時20分だったが、停留所で確認すると7時30分。平日ダイヤと休日ダイヤを勘違いしていた。このミスは後にも出てくる。ネットでは無条件に平日ダイヤを出すのだ。バスに揺られて海は見えないが、まあ海沿いのバス停から海洋高校跡のフットボールセンターに着き、一般客用のクラブハウスなどないので、日陰のベンチで横になって休む。会場には簡素な観客席もある。

クラブユース選手権北信越大会準決勝
ツエーゲン金沢−長野パルセイロ
6月3日 10時半 フットボールセンター富山 人工芝 晴



ツエーゲン金沢
十一九番
七番二十
二三四番
十三三番十五二番
三三


長野パルセイロ
十八九番
十七七番十番十九
六番三番二番五番
二一

金沢はゴールキーパーからしっかり声が出て起点になる。3番は大柄でビルドアップも素晴らしい。15番も3番ほどではないがビルドアップできる。両サイドバックは典型的な外側を上がるタイプ。というのは前のアタッカーがカットインを好むからだ。4番はキャプテンでパワフルな潰しと左足での展開力が光る。後方で効いている。23番は攻撃面で持ち味のある選手だが、守備力は物足りない。7番はカットイン多用のスピードとキレ十分の中央突破型ドリブラー。20番も右からカットインを狙う。というかほとんどタテはない。9番は大柄なセンターフォワード。11番がエース格。

長野9番は大柄で、18番はそこまでではないがバネがある。3番は大柄で強烈な潰し。6番は右利きだが、左足でフリーキックを蹴る。5番は徐々に加速していくスプリントが光る。なるほど、サイドバックの加速力だ。7番はリンクマンで確実に繋げて失わない。10番はどんどん前に仕掛ける。19番は中に切れ込むドリブルが光る。17番はチーム1のテクニシャンでドリブル突破力は最もある。

さてゲームは立ち上がり長野が積極的に前から追い、ボールを奪って攻め切る。双方のセンターフォワード9番を双方センターバック3番が潰しにかかる。体格勝負も戦術勝負も互角に見える。つまりパワーでも技術でも連携でも攻撃側が崩せそうで崩せない。バックラインは責任を果たせている。9分、長野、右19のシュートこぼれを18が蹴り込む。0−1。立ち上がりの勢いのままというか、金沢は落ち着いてプレーしようという意識が強いあまり受けてしまった。11分、長野17番の仕掛けにたまらず金沢23番が倒して警告。長野はコーナーキックを左コーナーは19番が右足、右コーナーは6番が左足で蹴る。20分、長野17番がドリブル、ペナ内左寄り9番に入れて反転シュート、決まって0−2。このシーン17番のカットインに対し金沢は23番が対応したが、警告を一枚もらっていたために強く行けなかった。以降金沢は長野17番に対し2番と20番が強く意識してみるようになり、突破を許さなくなった。長野17,18,19は雰囲気的には下級生で有望な選手だと思うがどうでしょう?2点で長野の押せ押せは収まり、金沢が本来のポゼッションスタイルを発揮する。つまりゴールキーパーとセンターバックを起点に前後左右に回し始め、いい形で20番と7番に入っても形が悪ければ仕掛けず戻す。少しずつ前進する。30分過ぎからは圧倒的に金沢が支配する。そして金沢23を止めて長野10番に警告。前半アディショナルタイム、金沢のたぶん11番を長野が倒しPK。これを11番が決めて1−2として前半終了。

後半は金沢の支配が続く。9番に代えて14番を入れて回し続ける。しかし前線の攻勢を変えても4番を最終ラインにしばしば下がらせてバックラインから上がらせても、その都度長野は対応し、もしかしてこのチームの最大の武器は戦術理解度にあるのでは?と思った。2番もクレバーだからレギュラーなのだろう。そしてインサイドの10番と7番の柔軟な対応力。金沢は長身の9番がいないのでパワープレーもできず、丁寧に回すが決定機は奪えない。結局1−2で長野が勝ち、初の全国、群馬行きを決めた。



クラブユース選手権北信越大会準決勝
松本山雅−アルビレックス新潟
14時 フットボールセンター富山 人工芝 晴


松本山雅
二三十番
十四六番十六十七
五番四番三番二七
二一

新潟
七番九番二九
十番六番
五番
十四三番二三二番
二一


松本山雅は4−4のブロックを作ってスペースを埋めてカウンターを狙う。10番は名手で右足フリーキックも蹴る。4番はフィードがよく左足フリーキックも蹴るが、身体能力は高いながらも180センチないかも知れない。バックラインは割と強力だが、中盤は戦術は徹底されていたが、強烈な個性は感じなかった。左ハーフの14番と左サイドバックの5番は攻撃が持ち味なのだろうが、守勢で輝けなかった印象。

新潟はGKから徹底してビルドアップ。繋ぎ倒すチーム。GKは二年生だが190センチオーバーの長身ながら足もとに絶対の自信があり、ビルドアップはすでにプロ級で長短のパスがあり、これでフリーキックがあれば大分トリニータユース時代の西川周作レベルだ。そして動物的な反応も長身を生かした高さもパワーもあり、キーパーというポジション特有の事情がなければトップチームに確実に昇格するレベル。新潟もこの逸材を逃すべきじゃないが、さて強化部の判断はどうなる?サイドバックは中に絞る。2番は技術もスピードもあり、新潟のサイドバックはいつも楽しい。3番は大柄で守備力は高いがビルドアップでしばしばミスをしてしまう。新潟の戦術にフィットしていない。5番が正確に捌く。10番は左寄りで受けて松本山雅の密集に入る斜めのドリブルから勝負パスを出す。昇格内定。9番はタッチがいい。

立ち上がり、新潟2番がさっと中に入り松本山雅5番倒してPK。これを新潟決めて先制。
このゲームの判定基準はファウルを割ととる主審だった。この判定に松本山雅はなかなかアジャストできず苦しむことになる。判定基準に対応できなかったというのもあるが、新潟の攻勢が続いた。ただ新潟はマンチェスター・シティのスタイルとはいえ、ハーランドはいない。松本山雅の4−4のブロック内でボールを出し入れするが、打開できるのは10番のドリブルという印象で、それは松本山雅の6番と16番がしっかり見ている。というか16番が何とか抵抗して6番がフォローという感じ。新潟のパスと松本山雅の秩序ある守備がかみ合い、シュートにはなかなかいかない。そして38分、松本山雅の左シュートが決まり、1−1となる。前半は1−1。

ここで気になる点を書いておく。ゲームは14時キックオフの40分ハーフ。で、帰りのバスが15時43分。ギリ最後まで観られる形だが、主審はアディショナルタイムもきっちりとるタイプ。そして私は入り口側、松本山雅サイドで観ていたが、応援が多くて熱気があり、気楽に撤退できる雰囲気じゃない。ということは終了間際に機を見て撤退してピッチのネット外でゴール裏観戦して、さらに終了間際に近くのバス停に向かわなければならない。きわどい判断になる。

さて後半、相変わらず新潟が回す。松本山雅は4−4のブロックが秩序を保つが、攻め手が限られる。23番のカウンターなど。また新潟のウイング7番29番に突破がなく、松本山雅を横に広げて戻す囮役で、しっかり二人で見る松本山雅を攻略できない。時間が過ぎていき、やむを得ず終了間際に撤退したら、バスを平日ダイヤと勘違いしていて、実は富山駅行きのバスは30分以上後だった。ピッチの方向からは特に歓声が聞こえず、同点で延長だろうと思いながら戻ったら、静かながらも松本山雅ベンチが沈んでいて、やがて新潟がバック側に行って挨拶しており、どうやら終了間際、新潟が勝ち越したようだ。新潟が全国へ。
新潟は全国でも徹底的に繋ぐポリシーを守ってほしい。今期プリンスリーグでも優勝争いしているのだから力があるのは明らかだが、全国で守備的に戦ってしまっては、せっかく極端なスタイルなのに、勝つためにポリシーを捨てることになる。Jアカデミーには育成のために信じた道を進んでほしい。



さて帰りは滑川のコミュニティバスで滑川駅に行き、第3セクターで富山駅に出て、駅前で海鮮丼にありついた。駅まで安くて多くて美味しい海鮮丼があるのは富山ならでは。そして新幹線と高槻駅停車のサンダーバード(自由席)を乗り継ぎ帰宅したのだった。


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T.K. [MAIL]