2004年08月20日(金) |
SBSカップ第2日 ブラジル−トルコ 日本−静岡 |
決めた通り五輪などテレビには全く触れずにぐっすり寝て4時半起床。のんびりする間もなくホテルを出て駅へ。5時のバスに乗る。日の当たらない側の席に座ってひたすら寝る。8時半には東京駅に着くはずだった。ところが道路事情、つまり渋滞のため1時間も遅れてしまった。予定では9時20分発の快速アクティーに乗れば鈍行で第1試合に間に合うことになっていた。高速バス+青春18切符こそが安くて楽なルートだったのだ。しかしこうなっては新幹線を使うほかはない。これなら多少ギャンブルでも上野着8時55分のスーパーひたちにすべきだった。
沼津駅北口から350円シャトルバスで愛鷹へ。住宅街の狭い道だろうが構わず一直線に山へ向かっていくのがいい。距離と道のりの差は1割もないかも。愛鷹は涼しいというイメージがあるがやはり暑い。
SBSカップの今年の海外招待チームはU−19トルコ代表、U−19ブラジル代表で、U−19日本代表と静岡ユース(国体選抜)がリーグ戦方式で行なわれる。プログラムを受け取ってメンバー表に目を通す。何かおかしい。どうも名前がピンとこない。ブラジルはかなりメンバーを落としている。トルコはUEFA U−19選手権準優勝メンバーが18人中11人来日している。とはいえ、目当てのUEFA U−19得点王アリ・オスチュルクやセサル・オスチュルク、アクスといった主力は来ていない。プログラムで主力として紹介された選手で来日しているのはイナンだけ。対するブラジルはといえば……。ツーロン国際大会のメンバーがその時点でのベストだと思われる。U−21の大会で、ブラジルはU−19代表に何人か年長の選手も加えて出場した。そのときのU−19世代の選手18人のうち来日したのはGKレナン・ブリトただ一人だけだったのだ!あまり期待はしていなかったのだが、このチームはどうやら出稼ぎ用のU−19B代表のようだ。
SBSカップ 第2日 U−19ブラジル代表−U−19トルコ代表 8月20日(金)愛鷹多目的 12時30分 ピッチ並 晴 微風
U−19ブラジル代表 U−19トルコ代表 −−−十一−−九番−−− −−−九番−−十六−−− −十番−−−−−−十六− −−−−−十番−−−−− −−−七番−−八番−−− −七番−−六番−−十三− 六番−四番−−三番−二番 五番−四番−−十八−二番 −−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
ブラジル:1番レナン・ブリト、2番ラファエル、3番ジョアン・レオナルド・ジ・パウラ・レジナト、4番グラジストーニ、6番ファビオ、8番レナト、7番ディエゴ、16番エヴァンドロ・ゴエベウ、10番エルナニ、9番リカルド・ジェズス、11番パウリーニョ・ベタニン
トルコ:1 Serkan Kirintili、2 Hakan Arslantas、18番Burak Yilmaz、4 Mehmet Ozan Tahtaisleyen、5 Ergün Teber、6 Zafer Sakar、13番ドアン・シェンギュル、7 Olcan Adin、 10 Selcuk Inan、16番ウール・ウシュカル、9番Emre Aygün
2分、タテパスをヘッドでバックラインの裏へ落としたボールで抜け出したエヴァンドロ・ゴエベウがドリブルで持ち込んで決める。トルコは激しく汚い守備でブラジルをビビらそうとするが、ブラジルも一歩も引かず個人技で対抗する。主審は荒っぽいプレーに対し注意も警告もほとんど行なわないのでトルコのタックルも激しいまま。ブラジルの中盤はボランチのレナト(183cm)、ディエゴ(185cm)がトルコとのパワー勝負に互角以上に渡り合い、しかもレナトは動きにメリハリがあり正確なミドルパスやFKで起点となれる存在。エルナニはスピードと技術を兼ね備えたドリブルで切り崩す。RBラファエルは判断が早くしっかりしていてサポートの動きも惜しまない。LBファビオはおそらくチーム1の俊足。常にひとり余る形をとる守備陣は1対1に強い。なかなか個性的な選手が揃っている。若干FWは弱そうだが。トルコの中心選手イナンは背筋を伸ばしまっすぐ立った腰高のドリブルが特徴的でターンを多用しながらボールを奪われない。左のアドゥンは正確な左足キックがあり、FKも担当。FWアイギュンは恐ろしく速い。ファビオと互角。中で待ってもボールが来ないのでサイドで受けて突破を図る。それにしてもトルコは個々の能力も組織力も期待以下である。FWウシュカルはミスター・ファウルとメモに書いたが、とにかく荒っぽいフォアチェックだけだし、シェンギュルも目立たない。DF陣は高さばかりで、局面での激しい守備はするものの組織的でもない。本当にヨーロッパ2位なのだろうか……。暑さで集中力を欠いてしまっただけなのか。
ハーフタイムで酷い出来だったシェンギュルとウシュカルを下げてハカン・オズメルトとヴェイシ・オズがそのままのポジションに入る。ハカン・オズメルトは素晴しいトラップで前を向いて高速ドリブルから右クロス、しかし左からのシュートを外してしまう。決定機。やがて徐々に流れはブラジルへ。12分RBラファエルの右クロスをパウリーニョ・ベタニンがヘッドで決めて2−0。ブラジルの運動量も徐々に落ちトルコが反撃するシーンもあったが総じてブラジル・ペース。結局ブラジルの完勝に終わった。
やはりブラジルはタレントの宝庫だ。ラファエルなんてフラメンゴのレギュラー・レオにも引けをとらないRBだったしエルナニの打開力も凄い。明らかに即席チームで望んだツーロンでのベスト4も恐ろしいが、このBチームのポテンシャルもかなりのものだ。
UEFA U−19でトルコは5試合で10得点10失点、2勝1分2敗の結果だった。つまり守備には元々難があり、攻撃力でカバーしていたわけだ。しかしこの日は攻撃陣が不発。運動量が足りずブラジルに寸断されてしまった。アイギュン、イナン、アドゥン、オズメルトはいい選手だ。U−19選手権に出ていないオズメルトがどう成長するか楽しみ。
SBSカップ 第2日 U−19日本代表−静岡ユース 8月20日(金)愛鷹多目的 14時55分 ピッチ並 晴 微風
U−19日本代表 静岡ユース −−−田中−−原−−−− −−−−−藤井−−−−− −−−兵藤−−増田−−− −−−−−狩野−−−−− 寺田−−−小林−−−中村 柴田−赤星−−上田−中村 −−水本−増嶋−柳楽−− 松本−平岡−−倉橋−小関 −−−−−西川−−−−− −−−−−八田−−−−−
日本は3−5−2で小林の1ボランチ。兵藤のポジションは増田より高い。
静岡は4−4−1−1で狩野(静学)のファンタジーを最大限生かす狙いがあると思われる。CBは平岡(清商)が当たりに強く倉橋(浜名)がカバーに秀でたタイプ。中村友亮(静学)、柴田(藤枝東)のサイドは突破力があり、インサイドの上田・赤星が力を引き出せれば勝負になる。どういうわけか清水ユースの選手が一人もいない。
3分、静岡はクリアを相手に当ててしまい田中の前に落ちる。これを決めて日本先制。その後圧倒的に日本がボールを支配。テスト起用と思われる寺田はサイドで無難に守備をこなし、中村友を良く抑える。柳楽は相手を潰すだけでなく、スルスルと上がって組み立てにも参加し、中に切れ込んでシュートを撃つシーンも。兵藤はこの日も抜群にいい。相手の対人守備が弱いと見るやドリブルをどんどん仕掛け、こぼれ球を読んでよく拾い2次攻撃の起点にもなった。増田はイマイチ。原もシュート意欲には欠けた。U−19代表はラインを上げてGK西川に戻しロングフィードも狙う。西川のキック精度をよく知っている藤井がマメにフォアチェックに走り、ボールが出るとオンサイドポジションに戻るのだが、その動きだけでスタミナを消耗しているようにも見えた。日本は攻めに攻めるが静岡も八田の好セーブ、ギリギリの守備など良く耐えた。日本にいいキッカーがおらずFKを上手く活かせないことも影響した。いやとてもいいキッカーが一人いるのだが、彼は大分ユースと異なりFKを蹴らせてもらえないのだ。
シュート意欲・ゴール前の迫力不足を懸念してか、後半から原に代わり渡辺(国見)を投入。この策が当たり4分、右サイドで後ろに落としたボールを柳楽が奇跡のダイレクトアーリークロス!これが正確にファーに飛び渡辺の左足ボレーが炸裂し2−0と日本がリードを広げた。この時点で勝負はついた。その後も一方的に日本がボールを支配し、前半と異なりゴール前での迫力もあったが追加点は奪えず。メモによると静岡は決定機すらなく日本の圧勝だった。
試合後シャトルバスで沼津駅へ。時刻は調べていないが適当に切符を買って最初に来た電車に上下線問わず乗る。ちょうど下りが着ていたので急いで乗る。車内で切符を買い替えて静岡で新幹線に乗り換え、なんとか9時頃に帰宅。少しのんびりして五輪の女子の日本−アメリカ戦に備えるのだった。
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